最近、知人とのやり取りの中で知った「月楽族」という言葉がある。
初めて触れるその言葉、文字から想像するに、天体の中でも特に月に恋して、月を楽しむひとたちのことだろうか。
そう感じた私は、そう尋ねてみた。
すると、「違う、違う。全然違う。」そう返された。
人は、自分が興味を持っていることや、知っていること、それらを介した思考に大きく左右される。
目に飛び込んでくることや、記憶に残ること、残らないことも、
自分が日頃から張り巡らせているアンテナによるところが大きのだと思った。
気を取り直して、「月楽族」とは何ぞや?と問い直した。
突発的な仕事が少ない月曜日は、
普段よりも早く仕事を切り上げるよう決めている会社が増えているのだそう。
これまでであれば、週はじめの月曜日は、ちょっぴり憂鬱な日というイメージを抱く方が多かったけれど、
月曜日は早めに仕事を切り上げることを会社の決まり事とすることで、
心身共に余裕をつくり、月曜日のプライベートタイムを充実させ、
一週間の仕事を捗らせるための鋭気をチャージする人たちのことを「月楽族」と呼ぶ流れがあるのだとか。
カレンダーや曜日感覚をあまり必要としない私は、
天体ではなく、そちらの「月」だったのか、誰が発信した言葉なのだろう、と
少々的外れな感想を述べてしまった。
そのような時間や提案をもらい、実際にそれに乗ってみることで
自分の心身を健やかに保つことができたり、
これから先の人生を謳歌していくための術やコツを掴むキッカケになるのであれば良いことだと思う。
そう思う反面、日本人は大丈夫だろうか、とも思う。
働きすぎているが故に、諸外国の人たちと比べてみると、
個人の時間や家族や仲間と過ごす時間が少ないと言われている国だ。
ただ、そのような国で生活をする以上、自分はどうしたいのか、どう遣り繰りしていくか、
そろそろ受動的な動きから能動的な行動に、
意識レベルで変わっていく必要があるのかもしれない。
体に染みついた習慣や考えは、そう簡単には変えられないけれど、
絶対に変えられないものでもない。
継続は力なりというけれど、こういう類のものごとも同じなのだろう。
一杯のコーヒータイムで、どれほどの癒しを自分にプレゼントできるか、
暮らしの中にあるささやかなモノゴトに、
人生を存分に謳歌していくための術やコツを掴むキッカケが在るように思った。