昨日までは確かに蕾だったはずなのに、
自宅周辺に植えられている桜の木が一斉に開花し始めた。
薄紅色に白を混ぜて極限まで薄めたような淡い色合いは、
離れた場所から見ても分かるほどで、その辺りが一気に春めいたように感じられた。
日常にまた一つ添えられた新しい春の色。
ささやかではあるけれど、日々感じる、昨日とは異なる春に思わず頬が緩んでしまう。
春と言えば、エネルギッシュで弾けるような黄色と緑色のコントラストが鮮やかな菜の花もまた、
春を代表する花のひとつ。
正式名称はアブラナで、以前は生活に欠かせない菜種油を採るための植物だった。
現在は、品種改良されたものや西洋のものなど品揃えも豊富となり、
菜種油を採るための植物というよりは、
「菜花/なばな」という名の野菜としての需要や認知度の方が高いのだそう。
「菜花/なばな」や春の山菜などから感じられる、ほろ苦さは、
植物たちが、自分の身を守るために自ら作り出した成分なのだけれど、
ほろ苦さの主成分はポリフェノールということなので、
私たちの体にも非常に嬉しい効果をもたらしてくれるのだ。
ポリフェノールの効果、効能の知名度も上がってきているように思うのだけれども、
ポリフェノールは、錆びない体、錆びない細胞を作る抗酸化力があり、
血の巡りを促し、新陳代謝を上げることを得意としている。
これに加えて「菜花/なばな」には、βカロテンやビタミンB1、B2、C、葉酸、
鉄、カルシウム、カリウム、亜鉛、食物繊維など、非常に豊富な栄養素が含まれている。
これらの栄養素は、
季節の変わり目に感じやすいストレスやイライラ、情緒不安定などを緩和し、
免疫力をアップさせたり、花粉症をはじめとするアレルギー緩和を手助けしたり、
骨や歯を丈夫に保ちながら骨粗鬆症の予防を、
貧血予防と改善をしながら、生活習慣病を予防を、
血の巡りを整えて浮腫みを取りつつ、便秘解消のお手伝いをといった具合に、
体を丸ごとメンテナンスできるラインナップだ。
他にも女性特有のホルモンバランスの不調からくる
シミやハリ、乾燥肌や肌荒れといった美肌に欠かせない成分もバランスよく含まれている。
そして、注目したいのは私たちが「菜花/なばな」を口にするときの状態だ。
ただ様々な栄養素が含まれているだけではなく、
開花前の「菜花/なばな」をいただくこということは、
開花に必要な栄養素が最高に高まった状態の、春野菜の生命力を分けてもらっているということ。
ホルモンバランスや体調を崩しやすい春ですが、「春には苦みを盛れ」と申します。
今晩の一品に、春を感じながらいただく「菜花/なばな」メニューはいかがでしょうか。
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