友人がポツリと言った。
大人の塗り絵は楽しいけれど、塗り終えたものを見直す機会は無いよね、と。
数年前に幸せのレシピ集内でも触れた大人の塗り絵。
塗り絵はアートセラピーでもあるため、ストレス解消だけではなく、癒し効果、認知症予防、
集中力を高めることに繋がったり、脳を満遍なく使う事で脳トレになったり、
女性特有のPMS(月経前症候群)によるブルーな心を和らげる効果もあると言われている。
私の手元にも数冊あり、頭の中を空っぽにしたいときなどに、
色鉛筆やカラーペン、パステルなどを、その時の気分で使いわけて楽しんでいる。
完成日を記入しておき、改めて見返してみると、
その時々の心理状態が色使いに表れていることも多く、大人の塗り絵は興味深いものだと思う。
しかし、塗り終えたものを見るためだけのためにページを開くことはなく、
いつも、塗り絵をするついでに、パラパラと目を通すくらいだと、友人の言葉に大きく頷いた。
私は、それでも十分だと思っていたのだけれど、
友人は、自分の力作は時々見返したいと思うことがあるのだとか。
その話を聞き、コロリアージュボトルというものがあったことを思い出した。
コロリアージュと言うのはフランス語で着色を意味する言葉で、
コロリアージュボトルは、簡単に言えば塗り絵ボトル。
『大人の塗り絵』の中でも特に人気高いデザインがボトルにプリントしてあり、
色を塗って仕上げたデザインボトルは、好きなように使うことができるというものだ。
紙に色を乗せていく塗り絵作業にも様々な楽しみがあるけれど、
ボトルを握って色を乗せていく作業は、塗り絵と工作をミックスさせたような感覚があり、
大人の塗り絵の進化版として、話題となっていた。
ただ、この塗り絵ボトルを作るには、それ相応の技術が必要とのことで、
コロリアージュボトルは期間限定発売だったか、販売店が限定されていたかで、
簡単には手にすることができなかったように記憶している。
私個人としては、近い将来、アロマディフューザー用のボトルや調味料ボトルとして、
着色してもしなくても、おしゃれに楽しむことができるコロリアージュボトルが
再登場するのではないだろうかと思っていたりする。
近年、大人の塗り絵のように、黙々と作業することに夢中になる方が多いと聞くけれど、
何かに夢中になる時間は、普段とは異なる視点から、静かに人の心を満たしていくのだろう。
趣味と呼べるものがあることは素敵なことだけれど、
それが無いからといって素敵ではない、ということではないと思うのだ。
ひとつのものに絞らずに、「これを楽しんでみよう」「今日は、今は、これを楽しみたい」「やってみよう」と思う気持ちも、
趣味と呼べるものがあるのと同じように素敵なことだし、
「少しでも早くベッドに潜り込むことが毎晩の楽しみ」というものも、
心が満たされる楽しみの一つに堂々と認定して良いと思うのだ。
思考も心身もしなやかに、軽やかに。
そのようなことを思いながら、未だ見ぬコロリアージュボトルを想像する午後だ。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/