久しぶりに、ふわトロッとした厚焼き玉子で作られた玉子サンドを口にした。
その安定した美味しさと共に至福の時を味わった。
日本では、安全性が高い卵をリーズナブルな価格で購入することができるため、
海外と比べると卵料理のメニューが非常に豊富だ。
そして、卵かけごはんや、ゆで卵、半熟卵といったシンプルなメニューに対する追及熱も高いように思う。
随分と前のことなのだけれど、友人とBBQ旅行へ行ったときのこと。
その中に料理人がおり、テーブルに並べられた食材の中にには卵もあった。
燻製卵でも作るのだろうかと思って尋ねるとグリルエッグを作るのだという。
グリルエッグ?
グリルと言うからには燻製卵とも卵焼きとも異なる卵料理よね?と頭の中に静かにクエスチョンマークが浮かんだ。
作業をしながら話を聞くと、燻製は、その日のタイムスケジュールを考えると時間がかかるため、グリルエッグなのだとか。
グリルエッグは、最近では焼き卵などとも呼ばれており年々、その知名度を上げているけれど、
簡単に言えば、卵を殻ごと焼き、食感と風味豊かな卵を味わう料理だ。
手順は簡単。
程よく常温に戻した卵をBBQの網の上に置き、
破裂しないように、出来るだけ割れないように注意しながら、
炭火(弱火)で30分~1時間ほどかけて転がしながら、じっくりと焼くだけだ。
焼きはじめて、5分ほど経つと卵の殻から水分が出始め、卵が汗をかいたようになるのだけれど、
こうして余分な水分が抜けることで、ぷりぷりっとした、ゆで卵とも燻製卵とも異なる食感に仕上がるのだそう。
少しずつ卵が膨らみヒビが入ることもあるけれど、焦らずに転がしながらじっくり焼き上げていく。
こうしてできたグリルエッグ(焼き卵)は、少し冷ましてから皮を剥き、
お好みのお塩や、その他調味料でいただく。
白身は燻製とは異なる香ばしさと弾力のあるぷりっとした食感があり、黄身はほくほくとしていて、
お酒のおつまみに、箸休めに、子どもたちはおやつ感覚で食べられる一品。
火加減に慣れれば10分~15分ほどで出来上がるそうなのだけれども、
ゆったりとした時間の中、気心知れた仲間と飲みながら、食べながら、
時々手を動かして卵をコロコロしながら、お喋りに花を咲かせつつ作るグリルエッグは、
ある意味、贅沢な一品であるように思う。
子どもたちに任せれば、そこは楽しい経験の場にもなるだろう。
まだトライしたことがないという方は、
今年のアウトドアでの小さな挑戦としてグリルエッグ、いかがでしょうか。
※破裂を防ぐために、冷たいままの卵ではなく必ず常温に戻した卵を使いましょう。火加減が心配だという方は、網の端を使って、じっくり1時間ほどかけて作ると失敗しません。
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