今年も日傘の誘惑に揺れている。
夏の厳しい暑さが増す中、「日傘、使わないの?」と言われる機会も増え、あれば便利だと分かっているのだけれど、
外出時に荷物が増えてしまう気がかりと、なくしてしまう疑念が拭いきれず、今に至っている。
そして、今年も何となくやり過ごしてしまうのだろうなと思っていたのだけれど、
数日前、久しぶりに「日傘男子」なる言葉が目に飛び込んできたのだ。
うろ覚えだけれど、国が数年前に、上着を1枚脱いで日傘を使用すると、
噴き出す汗を2割ほど抑えることができるため、男性も日傘を使うと良い。と発表し、
「日傘男子」という言葉が登場したと記憶している。
しかし、巷で日傘をさして歩いている男性の姿を見かける機会は多くはなく、
日傘は女性のものという印象が大きく変化することもなく、
いつの間にか「日傘男子」という言葉も耳にしなくなっていたように思う。
それから何年ほど経ったのか、日本の夏の厳しさは年々増し、
今年は、テレビから「命に関わる暑さから身を守るための行動を」という言葉まで耳にするほどの、記録的猛暑である。
そして、当時は世の中に広がることなく姿を消したはずの「日傘男子」という言葉を、再び見聞きしている。
そう言えば、今年は日傘を指している男性を2人ほど目にした。
暑さに反して涼し気な顔で歩いていたところを見ると、やはり体感温度を下げることができ、
暑さ対策や熱中症予防にもなっているのだろうと思う。
雨が降れば、濡れたくないから傘をさす。
日差しが強すぎれば、汗をかきたくないから、熱中症になりたくないから傘をさす。
男性の日傘利用も、そのような感覚でいいじゃないかと思うけれど、
なかなか世の中に定着していないところを見ると、
「日傘は女性のもの」「女性的なもの」「男たるもの」といった概念が、
世の中のブレーキになっているのかもしれない。
男性が日傘を使ってもおかしくないとは思うのだけれども、
今年は、日傘デビューする男性がどれくらい登場するのだろうか、と思う。
と同時に、少々的外れな理由で日傘デビューを躊躇している私は、日傘デビューするのだろうか、とも。
夏の悩みも様々である。
日傘に触れる機会がありましたら、今回のお話をちらりと思い出していただけましたら幸いです。
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