外国で暮らす友人から、「我が家で使っている歯ブラシ」というタイトルのもと、竹製の歯ブラシ画像が送られてきた。
歯ブラシの柄の部分は、アイスクリームを買ったときに付いてくることがある、
木製の平べったいスプーンのような板であり、
その薄い板の先に、申し訳ないといった程度のブラシが植え付けてある、とてもシンプルな作りのものだった。
これで、歯の隅々まで磨けるのか尋ねてみると、十分磨くことができると即答された。
最近日本でも、プラスティック製品を使用することへの見直しが取り上げられる機会も増えつつあるけれど、
海外ではいち早く使い捨てのプラスティック製品、例えばレジ袋や、オフィスなどで多用されているコーヒーや紅茶のカップ、
食品パッケージやストロー、その他の消耗品が国の法律のもと規制され始めたり、企業が自主的に見直しを始めているという。
理由は環境保全対策の一環だ。
例えば、私たちが毎日使っている歯ブラシ。
私も含めて、きっと、プラスティック製のものを使われている方が多いかと思うのだけれども、
1年間で廃棄される歯ブラシの量は、世界で20億本近くもあると言われている。
そして、この廃棄された使用済みの歯ブラシはゴミ処理されて埋め立てられている。
しかし、埋め立てられたら終わりというわけではない。
このままでは、30年後の海の中は、魚などの海洋生物たちの数よりもプラスティックゴミの方が多くなるという予測が出ており、
1本のプラスティック製の歯ブラシが、完全に土に還るまでに要する時間は、1000年以上だとも。
このような現状を知った人々の意識が少しずつ変わり始め、
海外では、使い終われば土に還る竹製の歯ブラシを選ぶ方が増えていると言うのだ。
ただ、竹製の歯ブラシはプラスティックの歯ブラシと比べると少々割高になってしまうこともあり、
環境に負担を掛けずに済むけれど、コスト面での問題が残っているため、
環境保全と人々の暮らしを圧迫しないような解決先の模索は、今後も続いていきそうだ。
日本の飲食店等でもストローを止めたり、紙製のものに変える等の取り組みが始まっているけれど、
友人とこのことについて話すことで、毎日当たり前のように使用している歯ブラシも、
環境をそれ程までに脅かしているのだという認識が、私の中には無かったことに気付かされた。
だからと言って、「それでは明日から私も竹製の歯ブラシを」というフットワークの軽さは今のところ持ち合わせてはいないのだけれども、
知ってしまったからには、少しずつではあるけれど、
まずは、手にするものがプラスティックである必要があるのか、否か、
購入時には、もう少し深く考えられる癖を付けられればと思った。
歯磨きをしながら海の中がプラスティックで占領された光景を想像し、「心躍らない……。」そう思ったある日の夜。
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