陳列棚にズラリと並べられた茄子を眺めながら、茄子の種類も年々増えているのかしらと思う。
どの茄子も皮がパンッと張っており、まだまだ旬であることが分かる。
焼き茄子の香ばしい香りを想像しながら、それに合いそうな茄子を手にとった。
茄子は和食にも洋食にも合う、とても美味しい野菜なのだけれど、
水分ばかりが豊富で栄養がほとんど含まれていない野菜だと言われることがある。
確かに、茄子の多くは水分と糖質であり、決して、栄養満点と言える野菜ではないけれど、
食物繊維や、女性は特に意識して摂取しておきたい鉄分やカルシウム、
浮腫みを取ったり、過剰に摂取した塩分を体外へ排出するカリウムなどが含まれている。
他にも、茄子のトレードマークでもある艶やかな紫色には、
ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれている。
このアントシアニンは、眼病予防にもひと役買っているブルーベリーの栄養素してもお馴染みだけれども、
それだけではなく、体内の細胞を錆びつかせてしまう活性酸素を抑える手助けもしてくれるのだ。
活性酸素の発生を抑えてくれるということは、細胞が錆びつかないため、
アンチエイジング効果やガン予防にも繋がる、頼もしい栄養素ということ。
もともと、このアントシアニンは、茄子自身が自分の身を守るために作り出した成分なので、
私たちは、茄子を食べることで、この自分の身を守る栄養を茄子から譲ってもらっているのだ。
ただ、美味しい茄子だけれど日本には、「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざがある。
色々な解釈があるけれど、その中には、秋茄子は体を冷やしてしまうため、
大切なお嫁さんには食べさせるなという意味もある。
過去に“体を冷やす食材”のお話をさせていただいたことがあるけれど、
茄子は、陰性の野菜なので体を冷やす効果を秘めている。
だから、茄子の旬である夏に口にすると、体に負担をかけることなく体内の熱を取ってくれるので重宝する。
その一方で、冷え性である女性の中には、意識して茄子を控える方もいると聞く。
確かに、体を冷やす性質を持った野菜だけれども、
夏に紫外線を浴びてダメージを受けた細胞のケアや、様々な疲労によって蓄積する活性酸素を取り除いて、体内バランスを整えるためには、この時季こそ口にしたい食材。
このような時には、体を温める陽性の食材をメニューに加えて、
茄子のいいところ取りをしてみてはいかがでしょう。
詳細は、下記の関連記事からご確認いただけるのですが、
例えば、にんじん、ねぎ、ごぼう、山芋、たまねぎ、かぼちゃ、こんにゃく、れんこん、生姜、
にら、にんにく、赤唐辛子、まぐろ、鮭、かつお、秋刀魚、鯖、いわし、明太子、ちりめんじゃこといった食材などは、体を温める陽性の食材です。
今夜は、夏のダメージを取り除くために、茄子と体を温める食材を使った一品を召し上がってみてはいかがでしょうか。
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