キッチンの床を冷たいと感じる季節になった。
はーっと息を吐いてみたけれど、吐く息が白くなるのは、もう少しだけ先のようだ。
キッチンを出来るだけシンプルに保ちたくて撤去したキッチンマットだけれど、
これからの時季は決まって、再投入に気持ちが揺らぐ。
今年も恒例の揺らぎを感じつつ、最終的にはシンプルさを取ってしまうのだろう。
そのようなことを思いながら朝食の支度をすすめる傍ら、マグカップに注いだレモン白湯を口に運び、
その温かさが、じんわりと体に染み渡るのを感じる朝のひとコマだ。
こうして文字に起こしてみると、何となく時がゆっくり流れているように映るけれど、
実際は、30秒、1分が勝負!という日も少なくはなく、女性の脳は、本当にマルチタスクだと思う。
そして、世の女性たちよ、今夜は昨日よりも1分でもいいから早くベッドに潜り込もうではないか!
と第三者目線で自分自身に投げかけてみたりする。
初っ端から話が逸れまくりだけれど、
キッチンの床を冷たいと感じる季節だと感じるようになった頃から、
街中の女性たちの足元が少しずつ秋冬仕様にシフトし始めた。
店頭をのぞけば、素敵な色合いのタイツがずらりと並んでいる。
少しだけ我慢をして秋の装いを取り入れていた足元ではなく、実用性を伴った足元である。
先日、一緒にお茶をした女性も既に秋らしい素敵な色をしたタイツを穿いていた。
素敵な色だと伝えると、実はさっき伝線してしまったから取り急ぎ、コンビニかどこかで替えを調達したいのだと言った。
近くに替えを購入できそうな所が見つからなかったため、
ひと目に付かない場所で、どの程度の伝線なのか見せてもらったのだけれど、
知人が言う伝線は、“伝線”ではなく“引きつれ”のように見えた。
“伝線”というのは、小さな穴のようなものをきっかけに線が入ったもので、修復は不可能である。
一方の“ひきつれ”は、伝線にあるような穴は見当たらず、線だけが入った状態で修復は可能なのだ。
知人のそれは、5cmから7cmほどの目立つ横線が入っていたため、
伝線してしまったと焦る気持ちは十分理解できたのだけれど、穴は見当たらなかったため、
ひとまず化粧室へ行き、タイツを脱いでもらうことにした。
そして、生地の裏側に手を入れて、“引きつれ”の横線に対して垂直になるように指の腹をあて、捩じれた横線を元に戻すような、ほぐすようなイメージで、
ゆっくりと優しく横線と、その周りの生地を擦りながら生地を軽く伸ばしていく。
この時に、慌てたり焦ったりすれば、爪の先や、ささくれなどでタイツを伝線させてしまうこともあるため、“ゆっくりと優しく”がポイント。
“引きつれ”であれば、これをすれば横線はすぐに消すことができる。
これは、タイツだけではなくストッキングでも応用可能。
知人の素敵なタイツは、この方法ですぐに元に戻り、笑顔も復活した。
これから出番が増えるタイツに横線が現れた際には、
買い替える前に、処分してしまう前に、一度お試ししてみてはいかがでしょう。
何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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