時々、場所を決めて断捨離を行っている。
「家中を」などと思ってしまうと、ゴールが見えずにくたびれてしまうため、
「今回は、このスペース内を」という具合に、小さなゴールを目指す断捨離である。
その日は、衣替えも終わり落ち着いてきたこともあり、クローゼット内を見直してみることにした。
私にとって一番厄介な断捨離場所は、クローゼットとシューズボックスである。
例えば、昨年乗り切ったはずの秋冬のクローゼットが目の前にあるはずなのに、
何だか着るものがないかも、と思ってしまうあれは何なのだろうか、と毎年思う。
それでも少しずつではあるけれど、年々、自分が本当に好きなもの、今だけトライしたいもの、
トレンドアイテムだとは言え、自分には似合わないもの、好みではないもの、
結局着ないもの、何だかんだ言って着ているものなどが把握できるようになってきており、
自分のことが分かってくると、このような暮らしの中の様々なことに対する判断基準や、満足基準が自分自身になり、
導き出される答えも、徐々にシンプルになってきているように思う。
どなたかが言っていた。
世の中に出たばかりの頃は、自分に本当に必要なものが何なのかが分からなくて、あれもこれもと取り揃えてしまうことがある、と。
そして、様々な経験を経て世の中のことが分かるようになると、今度は、
このような場面に遭遇したら、これが必要になる、あれも必要になる、という気持ちから物を減らせなくなることがある、と。
このような目には見えない理由も、物が増えていくきっかけになっているのかと感じた話だった。
断捨離と聞くと、持ち物を減らすこと、持ち物は少ない方が良いといった解釈をしてしまいそうになるのだけれど、
私自身は、単純に所持品の量ということではなく、
自分で把握できる量、無理をすることなく取り扱うことができる量を知ること、ではないかと思っている。
そのようなことも思いつつ、改めて自分の持ち物を眺めてみると、
まだまだ、自分のキャパシティーを超える量の物に囲まれていることに気付き、苦笑してしまう。
デスクに置いている文具トレーひとつのぞいてみても、ここ半年以上、触れることなく過ごしているものが多数混ざり込んでいるくらいだ。
家中という範囲で見てみたら、無くても困らずに過ごすことができる多くの物に囲まれて暮らしているのだろう。
来年は、本当に好きな物だけに囲まれる暮らしの純度を、もう少しだけアップさせられたなら。
そのようなことを思いながら、文具トレーをひっくり返して吟味する夜である。
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