今年は少し出遅れてしまったのだけれど、2月も半ばを過ぎた頃、うさぎ雛を出した。
今年もこうして、取り出して飾ることができる状況に感謝しつつ、リビングの一角に並べた。
桜木や菜の花は手配済なので、到着を待って飾ることにした。
一時期は、全ての準備が整った段階で一斉に飾り付けをしていたこともあったのだけれど、
自分が自分に対して発する「準備をしなければならない」という妙なプレッシャーを感じることが面倒になり、
早々に、準備ができた順に飾ることにし、準備から完成形までの形を楽しむスタイルに変えた。
自分を縛っている鎖のようなものは、意外と簡単に自分自身で取り除けるのだなと思う。
その鎖に手をかけるまでに時間がかかることもあるけれど、手をかけてしまえば、こっちのものである。
そのようなことも経て、現在のスタイルに落ち着いてから随分と年月が経った我が家のひな祭りであるが、年々、うさぎ雛との再会が早まっているように感じている。
年に一度の再会を嬉しく思いつつも、「何なのだろうか、この時間の経過スピードは」と妙にドキドキするこの頃だ。
ひな祭りは、お雛様に春の景色を見せてあげる「ひなの国見せ」という風習である。
今でいうとこころのピクニックやBBQに、子どもたちがお人形を持参するようなイメージだ。
そして、そのときに口にするものは春のご馳走なのだけれど、その中には「ひなあられ」もある。
この話題は、過去にも触れておりますので簡単におさらいすると、
「ひなあられ」は、菱餅を砕いて作ったという説があることから、一般的には菱餅と同じように緑、白、桃色であることが多い。
この色には、菱餅に使われている色の意味がそのまま反映されており、
(白)い雪の下には(緑)色の新芽が芽吹き(桃)の花が咲く、春の訪れを感じる景色を表しているのだけれど、
この景色は生命力を、緑色は健康を、白は清浄を、桃色は魔除けを同時に表している。
だから、「ひなあられ」の色にも同じ意味が反映されていることになる。
しかし、中にはもう一色、黄色いあられが混ざった「ひなあられ」を目にすることがある。
より華やかなあられにしたかったのでは?と思ってしまいそうになるのだけれど、
この4色タイプのあられには、4色タイプならではの意味があり、各々の色が表しているのは日本の四季なのだそう。
桃色は桜咲く春を、緑色は草木が生い茂る夏を、黄色は紅葉が美し秋を表し、白は雪が舞う冬を。
そしてここには、子どもが、四季を通して(1年間)健やかに幸せに過ごせるようにという願いが込められているのだとか。
私は、大は小を兼ねるということで、欲張って華やかな4色タイプを。
更に東の甘いあられと、西のしょっぱいあられの両方を用意して、春の訪れを祝いたいと思っております。
「ひなあられ」にも地域性がありますので、目にするもの、口にするもの、してきたものもそれぞれだとは思いますが、
選んで味わうことができる機会がありましたら、3色タイプ、4色タイプ、お好みで選び取ってみてはいかがでしょうか。
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