幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

険しき道のりと猫背の大仏様。

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これまで、引っ越しをする機会が多い生活を送ってきたのだけれど、その度に持ち物の全てを把握し直してきたように思う。

自主的にそうしてきたわけではなく、強制的にそうなっただけのことなのだけれど、意識しておかなければ、物はあっという間に増えてしまうことも身を持って感じてきた。

引っ越しをする度に作り出したはずのスペースは、次の引っ越しの時には異なる物で埋まっているフシギ。

結局、パッキングしたダンボールの数は変わらないのである。

今のところ、引っ越しの予定はないのだけれど、そのようなフシギに「どうしてそうなる?」と首を傾げつつ、

本当に好きなモノや大切なモノだけに囲まれて暮らす生活に思いを巡らせたりもしながら、

時間があるときに少しずつ、ゆるーく、家中の物を再確認中だ。

再確認しているものの中には、古い写真を収めているアルバムも含まれている。

引っ越しとなると、これが非常に重く、嵩張り、ダンボール数箱分となる。

パラパラと捲ってみると似たようなアングルの写真やピントがぼけてしまっているものを並んでいた。

だから、自分が思うベストショットだけを収めた、コンパクトなアルバムに編集し直したいと思い、写真の整理を初めたのだけれど、コンパクトアルバムへの道のりは非常に険しく、数年が経過している。

編集作業をすれば写真の枚数は減るのだけれど、記憶や想い出の密度は増し、

良くも悪くも抜け落ちていた記憶を思い出すこともあり、これはこれで悪くない時間だと思ったりもしている。

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先日は、何年も開いていないアルバムを開いたのだけれど、鎌倉の大きな大きな大仏様と撮った写真が出てきた。

青い空と白い雲に、青々とした木々を背にした大仏様は、大きな平常心まとっていた。

鎌倉大仏の名で知られている大仏様は、神奈川県鎌倉市にある高徳院(詳名:大異山高徳院清浄泉寺)で拝観することができる。

もう随分と長い間、足を運んでいないけれど、きっと今も平常心をまとったお姿でどっしりと座っていらっしゃるに違いない。

この鎌倉の大仏様は、猫背の大仏様とも言われている。

初めてそう聴いて見上げた時には、「本当だ」と妙に感動したのだけれど、

この鎌倉大仏が造られた鎌倉時代の仏像の多くは、このような猫背スタイルのものが多いそうだ。

私は仏像に詳しくないのだけれど、仏像に魅せられたという知人の話によると、仏像の造形にもその時代ならではの流行りみたいなものがあるという。

ただ、この鎌倉の大仏様の猫背には“当時の流行り”という理由以外に、

参拝客と顔を合わせ、参拝客の願いをしっかりと聞き入れるために猫背で俯いているとも言われおり、

一見、目を閉じているようにも見えるけれど、近づいて見上げてみると、しっかりとアイコンタクトを取ることができる大仏様である。

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久しぶりに開いたアルバムで、そのような記憶を引き出され、ふと思う。

猫背か否か。

そのような視点で仏像を拝観すれば、また違う世界が見えてくるのかもしれないと、いつぞやかの私は思ったはずなのだけれども、

その後、様々な仏像を拝観する機会は多々あったけれど、猫背か否かという視点では見てこなかったと。

そして、そのことを少しだけ残念に思った。

鎌倉の大仏様を拝観する機会がありました際には、アイコンタクトでご挨拶を。

その他の仏像を拝観する機会がありました際には、猫背か否かチェックをしてみてはいかがでしょうか。

この日もまた写真編集の成果は上げられず、コンパクトアルバムへの道のりの険しさを再確認したのであった。

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