ふらりと立ち寄った味噌屋には、味噌をはじめとする発酵食品がずらりと並べられていた。
この日のお目当ては、甘酒と塩麹である。
甘酒は、アルコールを含んだものも美味しいけれど、私は体内時計の調整も兼ねて朝食時に口にすることが多いため、
専らノンアルコールで栄養価が高く、お砂糖不使用のシンプルな糀の甘酒派である。
シンプルなものなのだけれど、口にした瞬間に、お砂糖入りのものを買ってしまったかしら?とボトルを見返してしまうくらいの甘さに驚かされることも多く、発酵の世界は、不思議だと思う。
そして、この日は久しぶりに塩麹を買って帰ることにした。
塩麹は一時期、お手軽調味料としてブームを呼び、店頭から姿を消していたこともあったけれど、今ではブームもすっかり落ち着いた調味料だ。
塩麹は手軽に味を調えることができるだけでなく、栄養価が高く、発酵による様々なメリットを得ることができ、塩分摂取量を控えられる点も魅力である。
甘酒には時々触れておりますので、今回は塩麹のお話をと思っております。
わたくし柊希の脳内整理も兼ねておりますが、よろしければお付き合い下さいませ。
先に、塩麹が私たちの体にもたらしてくれる嬉しい影響を確認しておきましょうか。
まずは、第二の脳とも言われている腸内環境を改善して整えることに始まり、免疫力を高め、疲労回復、お肌の保湿に美白です。
更に、血液をサラサラに促し、血圧を下げたり、コレステロールや中性脂肪を抑えて動脈硬化などの生活習慣病を予防する手助けも。
腸内環境が整うため、便秘や浮腫みの緩和、改善、予防にも繋がります。
この他にも、様々な効果・効能があると言われている塩麹なのですが、どうしてこれほどにも万能なのか。
これは、塩麹に含まれている100種類以上もの酵素のチカラだと言われています。
酵素は私たちの体に必要不可欠なもので、酵素が体の中から無くなってしまうと私たちは生き続けることができません。
それなのに、人が一生の間に体内で作ることができる酵素の量には限りがありまして、
現代人の生活で使われる酵素量を体内で作ることは不可能だと言われているのです。
ですから、私たちは、食べ物からもこまめに酵素を摂取する必要があります。
塩麹には、その必要不可欠な酵素が100種類以上も含まれているといいます。
腸内環境を語るとき、悪玉菌や善玉菌が登場しますが、
お肉やお魚には、悪玉菌の原因でもある動物性たんぱく質が含まれています。
善玉菌が不足してしまうと悪玉菌が腸内を占領し、様々な厄介ごとを引き起こします。
そこで、お肉やお魚を調理する際に塩麹を使いますと、
塩麹の酵素がお肉やお魚のたんぱく質を分解し腸内が悪玉菌に占領されるのを防ぐ手助けをしてくれるのです。
本来酵素は、熱に弱いため過熱すると死んでしまうのですが、
死んでしまった後は、善玉菌であるビフィズス菌が増えるときに必要なオリゴ糖を作るのです。
そして、このオリゴ糖を食べて増殖した善玉菌(ビフィズス菌)は、腸内から免疫力を高めてくれます。
このように、お肉やお魚の味付けに塩麹を使っておくと、
悪玉菌を増やすだけではなく、善玉菌を増やすこともできるので、
お肉やお魚の栄養はしっかりと吸収し、不要なものに腸内を占領されないよう、腸内菌のバランスを取ることができるのです。
もちろん、絶対にお肉やお魚の下味に使わないといけないということではなく、
お肉やお魚などの使わないのであれば、その他のメニューに塩麹を使うなどしてバランスを取ってもOKです。
先程も触れているのですが、酵素は熱に弱いという特徴があります。
酵素が死んでしまっても善玉菌のエサになってくれるため、塩麹の使い方に過剰に気を配る必要はないのですが、
ドレッシングや浅漬けなどに使うと、塩麹に含まれる100種類以上の酵素を、より効率よく摂取することができることも覚えておいても損はないポイントです。
女性の方は麹が含まれたスキンケア商品や美容サプリメント、食品などを目にしたことがあるかもしれませんね。
麹には水分を保つ効果も含まれているため、こまめに塩麹を摂取することでお肌の保湿力にも少しずつ影響が出てくると言います。
他にも、疲労回復や細胞を錆びつかせないためにはビタミンB群が必要になるのですが、
このビタミンは水溶性のビタミンなので、すぐに体の外へ排出され、不足する傾向にあります。
ですから、疲れたときには積極的にビタミンB群を含んだ食材を摂取すると良いのですが、
日頃から、塩麹で少しずつ摂取しておくと疲れにくい体に体質が改善していくといいます。
細胞の錆びつきを予防し、健やかな細胞を作ることができていれば、
ちょっとした不調やアレルギーくらいであれば細胞が跳ね返してくれますので、このような視点で調味料を選ぶのも手です。
一見、感じにくい地味な効果ですが、塩麹は、美容と健康の土台作りには心強い調味料のひとつです。
新たに食材を準備して摂取し続けるというのは、色んな意味で大変ですけれど、
日頃の様々なお料理に使うことができる調味料で少しずつ補えるのなら、
続けることへのハードルも随分と下がるように思うのですが、いかがでしょう。
ただ、中には塩麹に使われている塩分量を気にする方もいらっしゃるかと。
製造元によって塩分量が異なりはするものの、
ティースプーン1杯のお塩と同じ塩分量の塩麹を準備しようと思うときに必要になる塩麹は、
ティースプーン4杯ほどのだと言われています。
実際に使ってみると分かるのですが、塩麹は塩を麹で発酵させた際に旨味や甘みが加わるため、通常使う塩分量に達していなくても十分に塩味を感じることができるので、
塩分を控えたい方にも重宝する調味料ではないかと思います。
この旨味や甘味の出方は、製造元によって異なりますので、
塩麹を使う際には少量サイズのものを使い比べて、お好きな旨味や甘味、塩味のものを選ぶことをおすすめします。
今更、塩麹?という印象を抱かれた方もいらっしゃるかもしれないのですが、日本の発酵食品、なかなかいい仕事をしてくれますよ。
気軽に簡単に美味しく腸内環境を整えて、
美容も健康も大人が気になる生活習慣病も丸ごと整えてみませんか。
お味の好みや体調面のご都合などもありますので、何かしらのヒントやきっかけにしていただけましたら幸いです。
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