受け取ることを避けたポケットティッシュをバッグの中にポンッと放り込まれた。
その日はバッグの上部がパカッと開いたトートタイプを使っていたのだけれど、そのタイミングの計り方、スローイング、一切の無駄が無い動きに感服し、思わず振り返って会釈をしてしまった。
私の方に視線は向いていなかったけれど、視界の端で捉えていたのだろう。
素早くこちらへ体を向けたと思ったら、とてもきれいなお辞儀を返された。
これは、プロフェッショナル的な何かに立ち会った瞬間なのではないかと感じ、普段であればティッシュケースに封入してある広告を見ることなどないのに、
その日だけは、そのティッシュの広告だけは、無意識に取り出して確認していた。
人の気持ちを動かすことができるのは、人が持っている、とてもシンプルな部分なのかもしれない。
広告は印刷業者のものだったのだけれど、そこには広告だけでなく「ティッシュの始まり」というものが記されていた。
今回は、その「ティッシュの始まり」に関するお話をシェアさせていただこうと思っております。
ご興味ありましたら、お好きなお飲み物片手に、電車移動中のおともに、お付き合い下さいませ。
ワタクシ、ティッシュというものが身近すぎるからなのか、「ティッシュの始まり」「ティッシュの起源」というものに興味をもったことは一度もありません。
想像してみたところで思い浮かぶのは、使い捨てができるハンカチやミニタオルといった位置づけで生まれたものなのではないかしら?というくらいのことです。
しかし、その日目にした広告の端で知ったティッシュの始まり、起源には、「ティッシュは軍事用品としてアメリカで開発された」とありました。
戦時中の軍内部で綿製品は、傷の手当てに使われたり、有害物質から身を守るためのフィルターに使われたりしていたといいます。
使用量も多かったため、軍内部では、あっという間に綿不足が深刻な問題として浮上したのだとか。
そして、綿に変わるものを開発する必要に迫られた結果、ティッシュが生まれたのだそう。
ティッシュをよくよく見れば、きめ細やかで肌に優しく、通気性や吸収性に長けており、当時のマスクなどのフィルターとして使われていたことも納得できます。
しかし、このような軍事用品は戦争が終わってしまうと不要になることもしばしば。
そこで、女性のメイクを落とすためのアイテムとして世の中に送り出したところ、これが女性にうけて、後に日本にもティッシュが伝わってきたのだそう。
軍事用品生まれと言えばサランラップもそうですけれど、
ティッシュもまた、女性を味方につけたところに生き残りのカギがあったのかもしれません。
ティッシュを使われる際に、チラリと思い出していただけましたら幸いです。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/