先日、私たちが自然豊かな森林へ足を踏み入れたときに感じる、様々な草木の香りが入り混じった“森林の香り”成分が存在しているという話題に触れた。
あれから、森林特有の香り成分があるということは私の記憶に残ったのだけれど、やはり成分名は徐々に記憶から消えていったようである。
ただ、年々、森林の香りをリアルに再現した入浴剤や芳香剤などが増えているけれど、あれはきっと、あの成分のおかげなのだろうと思うこの頃である。
※あの成分=フィトンチッドでした。
どうして再び森林浴の話題なのか。
それは数日前、最寄り駅の改札近くにある旅行会社の前で、「Shinrinyoku」と書かれた旅行ガイドブックを手にした外国の方々を見かけたからである。
自国から持ってきたガイドブックであることは一目瞭然だったのだけれど、森林浴に特化したガイドブックには大きな文字でJAPANとあり、私の印象に強く残った。
日本で森林浴を楽しむことを目的に遠路はるばるいらっしゃったのだろうか、
どちらからお越しの方々なのかは存じ上げないけれど、日本よりも広大な自然が自国にはあるでしょうに、などと思った。
その話を友人にしたところ、森林浴は日本発祥のものだと言うので驚いてしまった。
呼び方は各国で異なりはするのだろうけれど、草木に囲まれた森の中や緑あふれる公園内を歩いてリフレッシュすることは各国で行われていることだと思っていたからだ。
もちろん、森林浴は各国で行われているのだけれど、日本生まれの森林浴は特にアメリカで注目されているようだった。
アメリカと言えば、ハンバーガーやポテトに炭酸飲料を手にソファーでテレビを楽しむことがスタンダードと言われているけれど、健康意識や健康志向も高まっており、健康的な日本の習慣を取り入れる方々が増えたのだとか。
自国にあるものを国やメディアがおすすめしたところで新鮮味が無いからだろうか、「Shinrinyoku」の呼び方で親しまれるようになっているという。
そうなると、「四季を持つ本場日本で森林浴をしてみたい」というようなことも十分に旅行の動機になるのかもしれない。
しかし、その日見かけた「Shinrinyoku」と書かれた旅行ガイドブックを手にした外国の方々は、「ハンバーガーやポテトに炭酸飲料を手にソファーでテレビを楽しむことがスタンダード」と言った生活とは無縁であるように見えた。
変わることも変わらないことも含めて、自分がこうしたいと思うことを自由に選ぶことができていることは幸せである。
そして、結局のところ、なりたい自分も、感じる幸せも、人の数だけあって本人次第ということだ。
それにしても、森林浴(Shinrinyoku)という言葉が世界中へ広がっていたなんて、知らなかった。
そのようなことを思った日。
関連リンク:
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/