今年も半分過ぎるのか。
カレンダーの端に小さく記されている「夏至」の文字を見て思う。
きっと今年も、日本各地で様々なキャンドルナイトイベントが行われているのだろう。
キャンドルナイトとは、年に二回、夏至と冬至の夜に照明を消し、キャンドルを灯して過ごしましょうというスローライフ運動の一つである。
確かカナダで始まった運動の一つだと記憶しているのだけれど、これが今では各国、各地に広がっている。
照明を消して過ごす日が、どうして夏至と冬至の夜なのか。
この日を決めるにあたり、様々な意見が挙がったそうなのだけれど、各国の事情や歴史的背景、人を主体にして決めるのではなく、
地球上に住む全ての者たちに平等に訪れる世界共通の日を、との考えから夏至と冬至の夜が選ばれたのだとか。
照明を消すタイミングは現地時間の午後20時から22時の2時間。
この間、キャンドルの優しく揺れる灯りを眺めながら、家族や恋人、大切な仲間たちと食事やお喋りをするもよし、
ゆっくりと自分自身と向き合うも、心身を休めるも、環境や平和、世界の様々な地で同じ時を生きている人のことを思いながら過ごすもよし。
各々が普段から過剰に点けている灯りを消し、ゆったりとした時間を過ごすことで、見えてくるものや感じられることがあるのではという活動である。
私は夏至や冬至の夜、キャンドルの灯りのみで過ごすことが出来ているわけではないのだけれど、「今宵はキャンドルナイトか」と思うだけでも不思議と、
自分自身や大切な人たちに普段とは異なる角度からの温かい気持ちを向けられるように思う。
キャンドルと言えば、その多くに石油素材であるパラフィンが使われているため、火を灯した時に出る個性的な匂いが苦手だという声を時々耳にする。
締め切った室内に、あの個性的な匂いが充満することを想像すると、キャンドルに対して二の足を踏むこともあるだろう。
そのような方は一度、和ろうそくを楽しんでみるのも手、である。
古くから日本で作られてきた「和ろうそく」は、米ぬかや天然植物から採取したロウを材料にして作られているため、火を灯しても、あの個性的な匂いがすることは無い。
それに、職人がひとつひとつ手書きで入れた華やかな絵柄の美しさも一興である。
本日は一年で最も日が長く、夜が短い夏至です。
これから本格的に夏の暑さが増していく前に、ほっと一息、ついてみてはいかがでしょうか。
心と体に優しいキャンドルナイトをお過ごしくださいませ。
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