幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

短冊に恋文をしたためて。

f:id:hiiragi1111:20190611142324j:plain

そろそろ七夕の準備をと思い立ち、笹の予約をフラワーショップに入れた。

長すぎたり、大きすぎたりすると地味に扱いにくく、後片付けも少々面倒。

あれやこれやと楽しみたいけれど、そのようなことも脳裏を過ってしまうものだから、事前に希望を伝え、ベストな状態に整えられたものを持ち帰るスタイルに落ちついている。

「ザ・七夕祭り」というような派手なことはしないのだけれど、笹に吊り下げた短冊や、少しずつ満ち始めた月を眺めつつお酒でも、そのような予定である。

笹だ、短冊だと頑張らなくても、上空の織姫と彦星の逢瀬に思いを馳せてみたり、自分が今一番望んでいることをチラリと覗くだけでも十分、七夕気分を楽しむことができると思っているのだけれど、今年の私は、笹だ短冊だと楽しみたい気分のようだ。

f:id:hiiragi1111:20190611142102j:plain

私が短冊に使うのは、折り紙を三等分にカットしたもの。

今では短冊にするか、和柄模様のものを箸袋にするかくらいの用途でしか使う機会がない折り紙だけれど、

海外では日本語発音の「ORIGAMI」で通じるアイテムで、日本人だと分かるや否や「何か作って」と度々言われた記憶がある。

僕にも、私にも、子どもの分も欲しいと言われて、何度も何度も鶴を折らされる状況に、「いい加減開放して欲しい」と思ったこともあったけれど、

折り紙を持ち合わせていなくても、その場にある紙切れやペーパータオルなどを使って簡単に作ることができる上に喜んでもらえるアイテムが折り紙だった。

中でも、綺麗な和柄模様の折り紙で作った鶴などは、ジャパニーズフェスティバルで売り物にされることもあった。

私から見れば、これを売っていいのだろうか?と罪悪感にも似た感覚を覚えたこともあったけれど、彼らの目には、正方形の紙が、みるみるうちに鶴だ、チューリップだ、飛行機だと変身していく様は魔法のようで、非常に興味深く映るのだと言う。

想像するに、私たちがバルーンアートでプードルやお花を目の前で作ってもらったときに感じる高揚感に似たものを、彼らも感じているのではないだろうか。

f:id:hiiragi1111:20190611142003j:plain
ただ、ORIGAMIは自他ともに認める日本が誇る文化のひとつだけれど、発祥や起源は不明で「日本のものである」とは言えないのだとか。

それでも日本では古より「紙は神様に通じている」と言われているし、紙と共に暮らしてきたことを思うと、当たらずといえども遠からず、そのようにも思う。

神様に通じているという色紙で作った短冊に、今年はどのような願いをしたためようか。

何だか恋文を神様に出すような気分だ。

そのようなことを思う午後である。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/