随分と懐かしい方からメールをいただいた。
数年前に知人経由で日本のことを教えて欲しいと言われた方からである。
当時、その方は既に日本への旅行計画が決まっていたのだけれど、自国内で得た知識だけでなく、日本人の口から日本のことを聞き、勉強した上で足を踏み入れたいと言っていた。
メールのみでのやり取りだったけれど、日本人である私よりも日本のことを知っているのでは?大切に思っているのでは?と感じる瞬間も多く、
その方とのやり取りを通して、私自身も視野を広げていただいたように思う。
ふと、私との当時のやり取りを思い出したといって送られてきたメールには、あれからも度々日本を訪れており、日本好きは増す一方だとあった。
私自身のことを振り返ってみたのだけれど、ここまで旅行先のことを勉強してから足を踏み入れた経験はなく、旅のスタイルも様々だと改めて感じたりもした。
このメールには、当時日本で撮ったという写真が添えられていたのだけれど、いつぞやかに行ったというポルトガルのアゲダの風物詩、アンブレラスカイの写真もあった。
昨今、日本でも目にすることができるアンブレラスカイのイベントだけれども、このイベントの発祥はポルトガルにある小さな町、アゲダである。
アンブレラスカイとは、たくさんの色鮮やかな傘を使ってアーケードを作るイベントで、本場であるアゲダの町では、夏の強い日差しを遮る日除け目的で、商店街などに傘を使ったアーケードを作っていたのだとか。
これを、日本でいうところの「町おこし」に利用したところ、異世界に足を踏み入れたような気分を味わえると評判になり、今では大勢の観光客が、このアンブレラスカイを観ようと、世界中から集まってくると言われている。
これが更に世界中に広がり、日本では、梅雨の時季をカラフルな傘を使って少しでも楽しい時間や空間にしようという理由などで行われている。
日本には梅雨があるため、アンブレラスカイは梅雨時季のイベントという印象が強いけれど、本場では7月から9月辺りまで行われるイベントで、
期間中は、多くのミュージシャンやアーティストたちによる音楽や作品を楽しむこともできる、夏の象徴のようなものなのだそう。
そして、町中を覆うために使われる傘の数は、数千本とまで言われている。
私は生まれてこの方、数千本もの傘が開いている景色を目にしたことがないため、アゲダのアンブレラスカイは、一度この目で見てみたい景色のひとつなのだけれど、
今回、縁あって知人から写真が送られてきたからなのか、不思議といつの日か見ることが出来る景色であるような気がしている。
雨の日も晴れの日も、
アンブレラスカイを見上げるように上を向いて、カラフルな日々を。
※今回載せている画像は全て、アゲダのアンブレラスカイのひとコマを切り取ったものをお借りしていますので、本場の雰囲気も合わせてお楽しみいただければ、と思います。
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/