今年の夏は、昨年と比べると過ごしやすくて助かるなと思っていると、普段から「夏は暑くなくちゃ夏じゃない」と言っている友人が、今年の夏は物足りないと言っていたことを思い出した。
今年は、涼感グッズや氷菓などが売れていないというニュースを見聞きするくらいだから、やはり一般的には物足りない夏なのだろう。
しかし、自然は、どこかで帳尻を合わせてくるため油断は禁物。
そう思いながら歩いていると、打ち水をしている女性の姿が視界に入った。
私はマンション暮らしだけれど、時々、ベランダに打ち水をする。
一番の目的はガーデンチェアとテーブルの水洗いなのだけれど、ついでにベランダ全体に打ち水をすると、辺りの温度が下がり清々しい空間が出来上がる。
しかも、諸々の条件が揃えば、小さな虹を我が家のベランダに招くこともでき、ちょっとだけ得した気分なるのも気に入っている。
打ち水は、古くから行われていた暑い夏を乗り切る知恵のひとつのようで、浮世絵の中などにも登場している。
そして、暑さ対策としての知恵以外にも、打ち水をすることで土埃が舞うことを抑え、空気を清浄することもできるため、来客がある際には、おもてなしや礼儀のひとつとして家先や玄関先に打ち水をしたりする。
単純に水を撒くことが打ち水だと思ってしまいがちなのだけれど、打ち水にはちょっとしたコツがある。
そのコツは、打ち水をする時間帯は昼間以外の時間帯に。
そして、水を撒く場所は、できるだけ日が照っていない日陰に、というものだ。
撒かれた打ち水は、地面の温度が上がることを抑えるだけでなく、辺りの熱によって蒸気となって温度を下げている。
このときに、少し湿度が上がり私たちに水分を感じさせることも、体感温度を下げる要因のひとつなのだそう。
しかし、高温で温め続けられて、気温よりも高い熱を蓄えているアスファルトの上に水を撒けば、水分は一瞬にして蒸発し、湿度も急激に上がるため、涼しくなるどころかサウナのような状態を作り、蒸し暑さを招くことになるというのだ。
ワタクシ、数年前までは、思い立ったが吉日というノリで打ち水をしていたのですが、
この仕組みを知ってからの打ち水は、ノリではなくベランダが高温になる前を狙って撒くようになったように思います。
生活環境や生活のリズムによって、出来ることや出来ないことが異なることも多々ありますが、何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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