幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

レトロな雰囲気の小路で見た萎んだ朝顔。

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日陰を探して裏道を選びながら目的地へ向かっていたときのことだ。

レトロな雰囲気の小路に入り込み、古い映画のワンシーンに使われていそうな景色に出会った。

外に並べられた沢山の鉢植えは、水をあげたばかりなのだろう。

水滴がついたままになっており、その前を通る私の体感温度も下がっていくような気がした。

先へ進むと、建物の壁近くに設置してある網にびっしりと蔓を這わせた朝顔があった。

その場所を通ったのが夕方だったこともあり、朝顔は既に萎んでしまっていたけれど、濃い青色と艶やかな葡萄色をした咲き痕があった。

数えきれないほどの蕾から想像するに、午前中の景色は朝顔柄の反物のような爽やかさなのではないだろうか。

朝顔と言えば、子どもの頃の朝顔観察が未だに思い出されるのだけれど、あの頃の心配ごとと言ったら、蕾ができない、蕾が膨らまないといった心配が多かったように思う。

しかし、聞くところによると最近の心配ごとは、立派な蕾がぷっくりと膨らんでいるにも関わらず、なかなか咲かないというものや、立派な蕾のまま萎れてしまうというものなのだとか。

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これは、熱帯夜が続く状況にある近年の、気温上昇が原因なのだそうだ。

朝顔は生物時計によって花を咲かせる性質の植物なので、日が落ちて暗くなってから約10時間ほどの時間が経過した後、花を咲かせるのだそう。

そして、もうひとつ。

朝顔が咲くには程よい気温であることが必要で、25度を超えてしまうとなかなか咲かないのだとか。

例えば、夕方の18時頃に日が落ちて暗くなった場合、明け方の4時頃には上りはしめた太陽の光を合図にじんわりと開花し始め、私たちが目覚めたときには、みずみずしい咲き姿を見せてくれるはずなのである。

しかし、自然の気温上昇に、昼間の熱が冷め切らずに重なるような熱帯夜が続く環境下では、朝顔の開花時刻が遅れることもあるという。

遅れるだけならまだいいのだけれど、朝から項垂れるような暑さが続いてしまうことも珍しくないため、最近では、開花のタイミングを掴めないまま咲かずに萎れてしまう朝顔も増えているそうだ。

これは気温の条件が揃わなかったパターンだけれど、温度を適温に保った状態で24時間明るい場所に朝顔を置いた場合は、光の条件が満たされないことが理由で咲くタイミングを掴めず、咲かないまま萎れてしまうという。

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ワタクシ、常日頃から気温上昇や環境問題に注意を払っているわけではないのだけれど、様々な話題をチラリと覘くと、自然環境の変化に流れ着くことが多いように思う。

そしてこのとき、自分も自然の中の一部だということや、一見関係ないようなことも、巡り巡って我が身にということをやんわりと感じるのである。

咲き終えて萎んでしまった朝顔の姿に妙にホッとしつつ、レトロな雰囲気の小路を通り抜けた日。

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