幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ミルククラウンができたような気がした日。 

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冷蔵庫から取り出した牛乳をボウルに注いだ。

最後の一滴がぽたっとボウルに落ちた時、ミルククラウンが見えたような気がした。

あれは小学生だっただろうか、それとも中学生だったのだろうか。

もう、記憶が遠すぎて思い出すことができないけれど、理科の実験で初めて知ったミルククラウンという存在に、強く心惹かれたことがある。

あの時の強烈な印象は今でも色褪せることは無く、ミルククラウン画像を目にしたり、それを模ったものを目にすると、頭の中でミルククラウンという言葉がループする。

ミルククラウンとは、器やグラスに入った牛乳の中に一滴の牛乳を落とすと、きれいな王冠ができる現象のことだ。

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牛乳以外の液体でミルククラウンを作ることもできるけれど、牛乳によく見られる現象ということで、牛乳でできた王冠、ミルククラウンと呼ばれている。

しかし、このミルククラウン現象は、器の中の液体に落とす雫の質や量、落ちるスピードや落とす高さ、その他様々な条件が揃ったときにのみ現れるため、簡単に作ることはできないのだ。

当時私が行った理科の実験では、牛乳以外の液体も使ったけれど、水のようにサラサラとした液体よりは、牛乳やジュースなどの粘着力があるものの方が作りやすかったように思う。

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どうして、このようなことを覚えているのか。

それは多分、私が水を使ってミルククラウン作りにトライする班の一員で、周りの「できた!」という声を羨ましく感じたからだろうと思う。

おかげで、ミルククラウンがどのようなもので、どのようにしてできるのかという部分は、私の中にこうして残っているのだけれど、

できた経験は、できた経験という部分が色濃く残り、できなかった経験はその全てが記憶に刻まれるのかと、年月が経過した今、感じ直してみたりしている。

あとは、そのミルククラウンの姿を収めるために使った、先生の宝物だという高性能のビデオカメラだ。

それを子どもたちで使い回していたのだけれど、何度も繰り返す先生の「絶対に壊すなよ、大事に扱えよ」の言葉を思い出したりもして、あの時には気が付かなかった愛情に今頃感謝したり。

偶然にも調理中にできたような気がしたミルククラウンをきっかけに、この日の夜は、記憶の引き出しのあちらこちらを開けながらミルククラウンの画像を眺めた。

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今では緻密な計算の上、簡単に作ることができるのかもしれないミルククラウンだけれども、

雨の日やキッチン、飲み物に注いだミルクやガムシロップが飛び跳ねたとき、川に石を投げ入れた瞬間など、もしかしたら、身近な場所で目にしているのかもしれません。

クラウンモチーフのものを目にした際には、これはクラウン?それともミルククラウン?という具合にミルククラウンのことをチラリと思い出していただけましたら幸いです。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/