幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

お天気を道標に進める秋冬支度。

f:id:hiiragi1111:20191105124443j:plain

ダイニングテーブルにPCと相棒である道具の諸々を豪快に広げ、作業を始めた。

時がどれくらい経ったのか見当すらつかなかったけれど、空腹感から、ふっと集中力が切れたところで顔を上げて窓の外へ視線を向けた。

清しい秋晴れのその日、空は優しいブルーに白っぽいグレーを混ぜたような色をしていた。

人間には真似できないような色の配合が施された、ニュアンスカラーの空だ。

そこにスーッと一本、右から左に白い雲の線が伸びていく。

飛行機雲だ。

しばらくの間、ブレることなく真直ぐ伸びていく線を眺めていると、今度は左から右に2本の線がスーッと伸びていくではないか。

あと2本、線をひけば五線譜だと思ったら何だか妙な期待を抱いてしまい、作業の手を止めたまま空を眺めていたのだけれど、ものごとは、そう都合よくは運ばない。

だから面白くて、想像して楽しんだり、希望を抱くことができるのだけれど、「惜しかったな!五線譜。」そのようなことを思いながら、次第に空に溶けて消えていく飛行機雲を見届けた。

f:id:hiiragi1111:20191105124424j:plain

この時季は、晴れ間が続いたかと思えば雨が降るといった具合に、お天気が目まぐるしく変わる。

晴れの日と一口に言っても、その時々で空には様々な表情があり、「男心と秋の空」、「女心と秋の空」とはよく言ったものだと改めて思うのもこの時季だ。

他にも、この時季に思い出す言葉に、「一雨一度(ひとあめいちど)」というものがある。

これは、この時季の、雨が降る前の晴れの日と、雨が降った後の晴れの日を比べると、後者の方が少しではあるけれど気温が下がっている状況のことで、

このように雨と秋晴れを繰り返しながら、雨が降る度に気温を一度ずつ下げていき、秋は深まっていくという意味の言葉だ。

だから、秋ではないような強い陽射しが降り注ぐ日があったとしても、雨が降る度に少しずつ、身の回りや気持ちを秋から冬へとシフトさせていくと、体調を大きく崩すことなく、季節の変化に体を馴染ませることができるとも言われている。

本来、私たちの体が気温の変化に馴染むまでに要する時間は、約3、4日ほどなのだとか。

近年は、気温がひと晩で大きく変動することも珍しくなく、健康な人でも体調管理が難しいというから、雨が降る度に衣服による温度調節を意識したり、湯船の設定温度を夏仕様から秋冬仕様に上げてみたり、体を温める食事を意識してみるのも、この時季を楽しむコツのひとつであるように思う。

f:id:hiiragi1111:20191105124604j:plain
「一雨一度(ひとあめいちど)」。

雨が降ったら、またひとつ秋冬支度を進めるサインです。

日常で多く見聞きする言葉ではありませんけれど、先人たちの知恵と風情が融合した、いい言葉だと思うのですが、いかがでしょうか。

関連記事:

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/