幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

干支飾りと「かきいれどき」と。

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和小物専門店の前を通ると、店先に干支飾りの見本が多数、陳列してあった。

もちろん来年の干支である。

もう?と思ったけれど確かにそのような時季である。

私は毎年、小さな干支飾りを我が家に招き入れることを年末の楽しみのひとつに挙げている。

きっかけは確か、素敵な干支飾りを見つけて気まぐれで購入したことだと記憶している。

それから何気なく、十二支揃えるのにも12年かかることや、揃った後に各々を何回飾ることができるのだろうかとか考えたとき、早くコンプリートしたいと妙な方向に意識が向き、今に至っている。

そのようなことを真剣に話す私に、だったら初めから親指ほどの大きさの十二支が揃っているものを購入し、毎年、十二支の全てを飾ればいいのでは?と助言してくれた方がいた。

素敵なものがあればそうしたいと強く心惹かれたのだけれど、既に半数ほどの干支を集め終えていた私は、方向転換しようにも決心できぬまま、毎年コツコツとお気に入りの子を探しているのである。

陳列してあった干支を横目に、今年は陶器製、磁器製、ガラス製のどれにしようかと思いながらその場を通り過ぎた。

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年々、子どもの頃のときのような年末年始感は減ってきているように思うけれど、それでもやはり今年も年末が近づくにつれて街中は、人や物で賑わうのだろうと思う。

このような時に耳にすることばに「かきいれどき」というものがある。

ワタクシ、学生の頃「かきいれどき=掻き入れどき」だろうと勝手に思い込んでいたことがあった。

言葉の雰囲気から、縁起ものとされている熊手で、わっしゃわっしゃとお客さんやお金を掻き入れるような光景を連想したのだろうと思う。

しかしある時、偶然手に取った読み物の中に現れた「かきいれどき」は「書き入れ時」だったのだ。

文脈から私が知っている「かきいれどき」と同じ意味であることはすぐに分かり、背中に妙な汗をかきながら改めて調べたところ、正しくは「書き入れ時」だと分かった。

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私たちは、商売人が帳簿を付けている姿を見る機会が無いに等しいため、つい、掻き入れる様を連想してしまうけれど、

本来は、商売人が帳簿に収入を書き入れる作業が増えるときというのは、商売が繁盛し、売り上げが大幅に増えるということなので、そのようなときのことを「書き入れ時」と言うようになったのだとか。

今は、「書き入れ時(かきいれどき)」という言葉ではなく、「シーズンに突入した」「シーズンだから」というような表現を見聞きする機会も増えているけれど、「かきいれどき(書き入れ時)」という言葉は、人や物が行き交う賑わいが透けて見えるようで面白い。

それに、私がかつて連想していた、大きな熊手で人やお金を掻き集める光景よりも、気分が高揚する活気を含んでいるように思う。

「かきいれどき(書き入れ時)」という言葉の響きに触れる機会がありました際には、ちらりと思い出していただけましたら幸いです。

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