出先でいただく小鉢料理に使われているゴボウの色が少し黒ずんでいると、嬉しい。
そう思うようになったのは、必要に迫られて灰汁というものを深く知る機会があったことがキッカケだったように思う。
灰汁と一口に言っても、発がん性があるものから栄養や旨味を含むものまであり、灰汁=悪ではない。
ただ、後者の場合でも、見ためや舌触りに問題があったり、特徴ある灰汁のにおいに対して嫌悪感を抱く方もいるため、灰汁は取り除かれることが多いように思う。
灰汁の話題に触れたらなかなかゴールが見えなくなりそうなので、今回は旬を迎えて口にする機会もぐんと増えるゴボウをターゲットにお話させていただこうかと思っております。
ワタクシ柊希の脳内整理も兼ねておりますが、ご興味ありましたら、お付き合いくださいませ。
ゴボウは、様々なお料理に使うことができる上に、水溶性と不溶性の両方の食物繊維やポリフェノールなどを豊富に含んでいます。
これらの栄養素は、腸内環境を整えたり、腸内にある発がん性物質を体外へ排出したり、免疫力を上げたり、体(細胞)が錆びてしまうことから守ったり、生活習慣病を予防したり、血糖値を安定させたりといった手助けをしてくれます。
一見地味な食材ではありますけれど、私たちが欲している美容と健康に関する幅広い要望に応えてくれるレスキューフードです。
ただ、この栄養をできるだけ多く受け取るには調理のコツが必要だといいます。
ゴボウを調理する際、水か酢水に浸して灰汁抜きをする習慣を持っている方が多いかと思うのですが、浸している水に溶け出る茶色いものは灰汁ではなくポリフェノールで、本来ゴボウには、灰汁と呼べるようなものは無いのだとか。
ですから、栄養面を第一に考えるのであれば、灰汁抜きをせずに調理するのがコツ。
とは言いましても、中にはポリフェノールの渋みやクセが苦手だという方もいらっしゃいますし、シチュエーションによっては、ポリフェノールが酸化して黒ずんだゴボウの見た目が不要だということもあるのかもしれません。
このような場合は、長時間水に浸すようなことはせずに、30秒ほど水に浸して渋みを緩和したり、酢水で変色を防ぐなどして、できるだけ栄養素をゴボウに残すことを意識して調理すると良いようです。
野菜は自分の身を守るために、食べた人間や動物の体内を攻撃してダメージを与えるような物質を含んでいることがあります。
私たちは、これを灰汁と呼んでいるのですが、ゴボウにはそのような危険物質は含まれていません。
もしポリフェノールの渋みやクセ、多少の酸化による黒ずみなどは気にならないというのであれば、ゴボウをカットしたら水に浸さず直ぐに調理して、栄養を丸ごと召し上がってみてはいかがでしょうか。
健やかさに繋がる、何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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