空にとても大きくて太い虹が架かっていた。
今年は虹を目にする機会が多くて密かに喜んでいたのだけれど、今年目にしたどの虹よりも立派なそれに、私のテンションはぐぐっと上がった。
急いで鞄の中からスマートフォンを取り出して人目もはばからずシャッターを切った。
しかし、スマートフォンのカメラではその存在感をあるがまま収めることは出来ず、自分の記憶と目に焼き付けることにした。
私にとって虹は、縁が深いモチーフのひとつなのだけれど、それもあってなのか、虹にまつわる話に触れる機会が非常に多い。
今回は、いつぞやかにハワイアンカフェで教えていただいた虹のお話をシェアさせていただこうかと。
ご興味ありましたら、温かいお飲み物片手に、ちらりとのぞいていってくださいませ。
ハワイには、虹は「メネフネ」という名の妖精によって作られたという言い伝えがあります。
ハワイに行く機会がある方やハワイのものがお好きな方は、様々なところでメネフネを目にしているかと思うのですが、メネフネは小学生ほどの背丈で、しっかりとした肉付きの体型をしているといいます。
そして、その習性は夜行性で、人間が寝静まった真夜中に活動するのだとか。
特に、建築関係の技術に長けているといい、ある程度の建築物であればひと晩で完成させてしまうほどの技術を持っているという話をよく耳にします。
そのような話を耳にすれば、彼らに完成させられない建物はないのだろうと勝手に想像してしまうのですが、メネフネたちは、ひと晩で完成させられなかった建築物に再び手を付けることはないという話もあります。
どうやらメネフネは、不思議な力だけでなく自由奔放な面も持っている妖精のようです。
そのメネフネが、雨が降った後の灰色に染まった空を見て虹を作ることを思いついたといいます。
そして、彼らが虹を作るための材料として集めてきたものは、王家に伝わる赤い羽にイリマという名のハイビスカスに似たオレンジ色の花、黄色い完熟バナナに緑色をしたシダの葉っぱ、青い色をした海水に、ハワイの女王から頂戴してきた女王の紫色のドレスの布端の6点。
これをウクレレの材料にも使われているコアの木で作られたボウルに入れて、太陽の下でしっかりと掻き混ぜたところ、きれいな虹が出来上がったのだとか。
虹を作ったメネフネは、人間に姿を見せることはないと言われているのですが、稀に、心が純粋な人や子どもにはその姿を見せることもあるという話もあります。
世界共通のハッピーモチーフには、各国に素敵な物語があったりもします。
お好きなハッピーモチーフがあるならば、そのような視点からモチーフに触れてみますと、より一層、自分にとって特別な、愛着が湧くものになるのではないでしょうか。
ハワイの何かしらに触れる機会がありました際には、メネフネのことをちらりと思い出していただけましたら幸いです。
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