商店街の入り口に立つと、アーケード内が大勢の人たちで賑わっていた。
冷静に見れば、普段と大差ないようにも見える光景なのだけれど、時節柄だろう。
年の瀬が着々と近づいていることを否応なしに突き付けられたような気がした。
この日は、少しばかり現実逃避をしたい気分だったものだから商店街を縦断するのを止め、人通りが少ない道を選びながら目的地へ向かうことにした。
道すがら、子ども達が描いたイベントポスターのようなものが展示してある場所があった。
何となくそれらに視線を向けつつ歩いていていると、「鬼」を描いたものが多いことに気が付いた。
ひと口に「鬼」と言っても、その表情や容姿、色使いは描き手によって様々で、そののびのびとした描きっぷりと個性がとても素敵で、私が審査員であれば全員に大きな花丸をつけるだろうと思った。
いつだったか、私も「鬼」を描いたことがあった。
随分とオトナになってからペンをとったのだけれども、ふと、虎柄のパンツを描いている自分に対して「何故に虎柄のパンツ？」と突っ込んだことがある。
とびっきりお洒落なパンツを穿かせても良いはずなのに、私が無意識に選んだのは虎柄。
あゝ、私は子どもの頃に刷り込まれたイメージのままなのかと少し残念に感じつつも、「鬼」には様々なエピソードが多々残されているため、パンツの柄にも意味があるのではないかと気まぐれで調べたところ、虎柄パンツにもしっかりと意味があったのだ。
鬼は、邪悪な存在だけでなく神様に近い存在として扱われることもあるけれど、虎柄パンツの理由を辿る上では、鬼を邪悪なものや不吉なものとして扱っていた。
一般的に、邪悪なものや不吉なものが出入りする方角を鬼門と呼んでいるけれど、この方角を陰陽道でみると鬼門は北東にあたる。
次は、この方角に十二支を当てはめると北東は丑寅(牛虎)の方角となる。
ここから、鬼の上部(＝頭)には牛の角が描かれ、下部には虎柄のパンツを穿かせて邪悪なものや不吉なものを表現しているのだとか。
角なし、虎柄パンツなしの鬼の姿が古い書物に残っているという話も見聞きするので、時代を経る中でいつの間にか「頭に角、パンツは虎柄」という鬼のスタイルが定着したようだ。
こんな風に分かりやすく、目に留まる姿で現れてくれれば、邪悪なものや不吉なものに対しても素早く対処することができるけれど、ホンモノのそれはいつも見えない形で忍び寄ってくるから厄介である。
邪悪なものや不吉なものとして扱われてきたものの中には、風邪や体調不良も含まれております。
時節柄、体調を崩しやすいときでもありますし、無理をしてしまうときでもありますので、鬼に忍び寄られないように、しっかりと食べて、しっかりと寝て、身体ぽっかぽかでお過ごしくださいませ。
本日の画像は邪気祓いとエネルギーチャージの意味も込めて赤色をアクセントに。
ここへ足を運んでくださった皆さんに良き風が吹きますように☆彡
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