幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

マシュマロとスイッチを切る勇気。

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年に一度ほど、無性にマシュマロに惹かれることがある。

しかも、そのマシュマロは、親指の第一関節よりも気持ち大きいサイズをした、食べ応えあるものであれば尚良しという注文付きである。

今年もそのような気持ちが不意に湧き、あのお店であれば置いてあるに違いないという目星をつけて買いに行った。

お目当てのものを無事に入手した日の夜、紅茶を飲みつつ幾つか摘まんだのだけれど、時々口にするマシュマロの食感とほのかな甘みは、私をいつも幸せな気分にしてくれるように思う。

マシュマロを指先でふにゅふにゅと摘まんでいると、マシュマロを使った心理学の実験があったことを思い出した。

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このマシュマロを使った実験は4、5歳くらいの子どもの自制心を観察するために行われたもの。

まずは、先生が子どもを1人ずつ部屋に招き入れ、予め準備しておいた座席に着席してもらい、目の前のお皿の上に美味しそうなマシュマロをひとつ置くそうだ。

そして、こう言うのだ。

このマシュマロはあなたのものだよ。先生はこれから15分くらいお部屋からいなくなるけれど、先生が帰ってくるまで、このマシュマロを食べずに我慢できたら、もう1個マシュマロをあげるね。

でもね、先生が帰ってくるまでに、このマシュマロを食べてしまったら2個目はあげられないよ、と。

簡単に言えば、1人だけの空間でお預け状態を作るのである。

子どもたちの葛藤の結果はというと、先生が部屋から出て行って帰ってくるまで待ち続けることができずに目の前のマシュマロを食べてしまう子どもと、15分間我慢して2個のマシュマロを手に入れる子どもに分かれるのだけれど、

我慢して2個のマシュマロを手に入れることができた子どもの人数は、全体の1/3ほどだったという。

そして、彼らのその後の成長を追跡調査してみたところ、我慢できた子どもたちは、我慢強い傾向にあり、ストレスに対処することが上手く、進学する際に受けるテストの点数も高いという結果がでたという。

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この実験結果は、行動心理学の分野ではある程度知られていたようなのだけれど、後に、マシュマロを使った実験結果には子どもたちが身を置いている環境や経済状況も関係していることが分かったという。

例えば、いつでも好きなときに好きなだけお菓子を食べることができる環境で暮らしている子どもは、気持ちに余裕があったり、後で2個もらえることを疑わないけれど、

その日に食べられるものに限りがあったり、食べられると言われていたけれど食べられなかった経験が日常化している子どもは、食べられるときに食べておかなくてはという心理が働くため、手に入るか分からない2個を待つよりも、確実に1個を取りにいくというような違いがあったという。

だから、マシュマロを使った実験を子どもに行った結果によって、将来の可能を読むことができるという訳ではないのだけれど、

ただ、大人になったときに、誰もが向き合うことになるであろう様々な誘惑や欲望を、自分で上手く取り扱うことができるようになるためには、子どもの頃に行う小さな我慢も効果的だという。

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このような話題に触れた新米パパ、新米ママは、反射的に我慢できる子どもに育てなくてはと感じる方も出てくると思うのだけれど、やはりモノゴトはバランスであるし、ここには互いの信頼関係も関わってくる。

我慢が必要な場面と我慢が不要な場面とはどのような場面なのか、そして、我慢が必要な場面では、どのようにして自分の気持ちを整えていくと自分のストレスを軽くしつつ我慢をすることができるのか。

そのような視点に繋がるような我慢の練習ができれば、子どものときだけでなく、大人になってものびのびと過ごすことができる時間を、自分で作り出せるようになるのでは、と思う。

生まれ育った時代によっては、全てが我慢の上に成り立つような環境で育ってきた方も大勢いらっしゃる。

そして、その影響を受けて育った世代もいる。

その時代には必要なことで常識だったりもしたわけなのだけれど、そのような環境の影響を受けた方々は、自分をリラックスさせたり、労わったり、人に頼ったり甘えたりすることが苦手だとか、罪悪感を覚えると仰ることが多いようにも思う。

もちろん、全ては常識の範囲内での話なのだけれど、

スイッチを入れっぱなしで走り続けていては、いつかショートしてしまうから、スイッチを切る勇気も忘れずにいられたら、と思う。

ふにゅふにゅのマシュマロを味わいながら、そっとスイッチを切った夜。

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