先日、『帳消しの日と、あの世界の休日と。』のタイトルのもと、閻魔様の縁日の話題に触れたのだけれど、本日が、その「初閻魔(はつえんま)」の日である。
生憎、私のご近所に閻魔様はいらっしゃらないようなので、以前、立ち寄らせていただいたことがある閻魔様のお顔を思い出して自宅からお参りを。
日頃のあれやこれやを帳消しにしてくださるかしら?と想像したり、無病息災や厄除けを期待したりと、煩悩まみれではあるけれど、こうして楽しみながら何度でも気持ちを仕切り直すことができる機会はありがたい。
中には足を運ばなくては意味が無いのでは?という方もいらっしゃる。
もちろん、足を運ぶに越したことはないのだろうけれど、「できることを、できるときに、できる分だけ」という「しなやかさ」で臨機応変に楽しむのも、これはこれでいいじゃないと、私は思う。
そうそう、閻魔様(閻魔大王)と言えば地獄の番人として知られているけれど、地獄の番人と呼ばれる存在は閻魔様(閻魔大王)以外にも9人の王がいると言われており、地獄の番人は10人でワンチームなのだとか。
そして、このチームの中心に居る王が、生前の行いの全てを映しだす鏡を持っている閻魔様(閻魔大王)だと言われている。
私たちは、亡くなった方を7日ごとに法要と呼ぶ席で供養を行っているけれど、これは、亡くなってから7日ごとに裁判のようなものが行われているという考えがもとになっているといい、5回目(四十九日の法要時)の裁判は閻魔様(閻魔大王)が行っているそうだ。
裁判の中身を全て記憶しているわけではないのだけれど、亡くなった方がどの三途の川を渡ってあちら側の世界へ行くのか、渡る川を決める王や、生前についた嘘に関して詳しく見る王など、それぞれの王には担当分野があると言われている。
面白いと感じるのは、閻魔様(閻魔大王)は地蔵菩薩と同一人物だという考えがあることだ。
なんでも、閻魔様(閻魔大王)は、お地蔵様に姿を変えて人々の生前の様子を観察したり、見守ったりしているそうで、
私たちは、閻魔様(閻魔大王)を目にする機会はそう多くないと思っているけれど、意外と近くにいるようなのである。
本日は、こちらでも、あちらでも何かと大忙しなこのチームの王たちの休日、「初閻魔(はつえんま)の日」なのだけれど、もうひとつ「藪入り(やぶいり)」の日とも言われております。
藪入り(やぶいり)とは、商家に嫁いだお嫁さんが実家へ帰ることを許していただけた日で、商家で働く丁稚や女中さんも商家からお小遣いと休暇をもらい、実家へ帰ることができた日のこと。
年末年始に、何かと大忙しだった女性の皆さんは、この辺りでホッと一息ついてみてはいかがでしょう。
また、のんびりと過ごすことができた皆さんも、このような機会を上手に取り入れて、どのようなときでも口角をキュッと上げられる余裕と元気を補給してみてはいかがですか。
休むことが苦手な方は、昔ながらの風習を楽しむような気持ちで、経験するような気持ちで休むのも「テ」であるように思います。
今回のお話はこの辺でお開きとさせていただきますが、一息のおともに、今回のお話をちらりと思い出していただけましたら幸いです。
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