待ち合わせの場所に、約束の時間よりも早く着いたときのことである。
人が、ひっきりなしに行き交う様子を眺めていると、私同様に待ち合わせをしている人たちが目に留まった。
性別も年齢層もバラバラだったけれど、それぞれの前に一人、また一人、と待ち合わせ相手が現れ、その場を共に離れていった。
すると今度は、別の方がその場所に立ち、誰かを待ち、現れた待ち合わせ相手と共にその場を離れていくのである。
ありふれた光景だけれども、何となく目が離せなくなり、私は、私の待ち合わせ相手が来るまでその光景を眺めていた。
いつだったか、待ち人の到着を、心理学を専門に扱っている方と一緒に待つ機会があった。
記憶に残らないような雑談を幾つか交わしたのだけれど、その時の会話の中には、「人を待っているときの様子には心理状態が現れている」という話があった。
そしてその方は、辺りに居る見ず知らずの方々をこっそりと例に挙げ、心理の現れ方を解説してくださったのである。
今回は、そのようなお話を少し、と思っております。
ご興味ありましたら、温かいお飲み物片手に、お付き合いくださいませ。
人を待っているときの様子に表れる心理状態は、男性と女性で違いがあるのだそう。
例えば、女性と待ち合わせをしている男性が、約束の場所に先に着いた場合。
男性が、これからやってくる女性に対して好意を抱いているときには、そろそろ到着するだろうか、どこから現れるだろうか等と無意識にワクワクしているため、辺りを見渡していることが多く、遠目から見ている人には落ち着きがない姿として映るのだそう。
一方、落ち着きを放った様子でジッと静かに待っている場合は、この時点では待ち合わせをしている女性に対して特別な感情や興味がないか、
既に、その女性とは心が通い合っているという自信から、落ち着きある状態を放っている。という二つの状態が考えられるという。
そして、女性が待ち合わせ場所に先に着いた場合はどうなるのか。
男性とは真逆で、待っている側の女性が、相手の男性に好意を抱いている場合は、姿勢を崩すことなく、落ち着きを放った様子でジッと静かに待つ傾向にあるのだとか。
これは、とても女性らしい心理の現れで、いつ、どのような角度から見られても素敵な自分でいられるように、神経を研ぎ澄ませた状態で待っているという。
簡単に言うならば、男性は、相手への好意が落ち着きのなさという形で表れ、女性は、相手への好意が落ち着きとして表れるそうだ。
もちろん、例外もあり、100%そうであると言い切ることができるほどの判断基準ではないけれど、人は粗方、このような行動をとっているようだ。
ご自身の行動を振り返ってみるもよし、遠目から待ち合わせをしている方の元にやってくる待ち合わせの相手を予測するもよし。
機会がありました折には、待ち合わせ時間までの手持ち無沙汰の解消も兼ねて、世の中をちらり観察していただけましたら幸いです。
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