幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ひと粒で二度おいしいトムテト。

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小学校に面する道路を歩いていると、中から「接ぎ木(つぎき)というのは、このようにして~」と聞こえてきた。

視線を向けるとしゃがんでいる子どもたちが、先生の手元を見上げていた。

接ぎ木(つぎき)とは、数種類の植物の切断面同士をくっつけて1つの植物にする方法のこと。

既に根を張っている植物に異なる植物をくっつけるのだけれど、弱っている樹木を効率よく増やす必要があるときなどには、根っこを這わせる時間を省くことができるなどといったメリットがあり、とても有効な方法だと言われている。

他にも、果樹は実るまでに時間がかかるけれど、このような手法を使って様々な時間を短縮する目的として接ぎ木(つぎき)を使うこともあるそうだ。

ただ、増やしたい植物の数だけ、既にしっかりと成長している植物が必要になることがデメリットに挙げられることもあるという。

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普段であれば「接ぎ木(つぎき)」という言葉を聞いたところで、それほど気に留めることはないのだけれど、偶然にも先日、接ぎ木(つぎき)の技術を使って生まれた「トムテト」という野菜を知る機会があったばかりなのである。

これは、地上にはプチトマトが、地中にはジャガイモが実り、トマトとジャガイモを一緒に収穫できる野菜で、英国では数年前から発売されているという。

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トマトとジャガイモはどちらもナス科ナス属の野菜なのだけれど、このように同じ「科」や「属」に属する植物同士が適合するのは自然なことなのだとか。

そして、このような試みは誰でも自由にできることのようなのだけれど、商品化するとなれば、トマトとジャガイモがしっかりと育ち、実り、双方の味が良いことなどが保証されなければいけないので、「トムテト」の商品化が決まるまでには、接ぎ木(つぎき)の技術を駆使しながら、膨大な年月をかけた研究が行われようだ。

このような人の手が加えられた植物を目にすると遺伝子を組み替えて作られた新種だろうかと思ってしまうけれど、「トムテト」は古くから在る接ぎ木(つぎき)の技術を作って生まれや野菜なので、安全性も問題ないという。

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植物や自然が持っている力に驚かされることは多いけれど、自分とは異なるものを受け入れて共存する植物の生命力に神秘的なものを感じ、それを実用化させるヒトの力に驚くきっかけとなった「トムテト」である。

そして、接ぎ木(つぎき)はシンプルだけれども、絶滅しそうな樹木を助けたり、このような野菜を生み出したりと、とても高度な技術だと知った話題となった。

トムテトのトマトはフルーツトマトに負けないくらい甘いそうだけれど、「トムテトのトマトの方で作ったケチャップです」と言われるだけでは、そう大きな感動は湧き上がってこないようにも思うから、そのようなときには是非、ケチャップにトムテトの画像も添えていただきたい。

そのような要望を浮かべながら小学校の前を通り過ぎた日。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/