幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

理髪店のフィギュアを外から眺めつつ。 

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古い理髪店の前を通ると、窓際に漫画のキャラクターを模ったフィギュアが並べられていた。

それらは全て親指の長さほどの大きさのもので、ひとつひとつはそれほど大きいものではなかったけれど、床から天井まである窓の下半分ほどの面積を占めており、それなりの存在感を放っていた。

フィギュアのほとんどが新旧入り乱れた漫画のキャラクターで、酷くくたびれてしまっているものも並んでいるところを見るに、店主が子どもの頃からコレクションしてきたものなのではないだろうか、と勝手に想像した。

日本人は、この手のものを作る技術に長けているように思う。

古くは、根付(ねつけ、ねづけ)と呼ばれる留め具、今で言うところのキーホルダーやウォレットチェーンのような類の小物なのだけれど、ここに動物や植物を模った飾りを付けるなどして楽しんでおり、今では装飾美術品としての価値が付けられているほどのクオリティーを持っている。

他にも、ケーキの飾りとして使われているマジパン細工なども、日本の菓子職人の手にかかれば、お手の物である。

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マジパンと言えば、日本ではケーキの飾りに使われるイメージが強いように思う。

お砂糖とアーモンドを粉末にしたもの、卵白などを混ぜ合わせてペースト状にしたもので作られるため、作りたてはねっとりとした食感なのだけれど、時間が経つと水分が蒸発して硬くなる性質がある。

私は子どもの頃にマジパンで作られた飾りを口にし、あの硬さで嫌な思いをして以来、マジパンが少しばかり苦手だったのだけれど、マジパンが練り込んであるというシュトレン(シュトーレンとも)を口にして、その記憶が塗り替えられ今に至っている。

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ドイツのシュトレンは、レシピや呼称に法律で定義がつけられており、その中には「マジパンを入れること」という項目もあるのだけれど、マジパンが練り込まれたシュトレンは、しっとり感とアーモンドの風味が加わり味に深みが出るように思う。

このマジパン、もとは中東で食べられていたお菓子がヨーロッパに渡り広まったと言われているのだけれど、ドイツのお菓子としての知名度が高いのは、

ドイツのある町が食料危機に陥った際に、当時大量にあったアーモンドを形成して(マジパンにして)村人に配ったという出来事から、その町でマジパン作りが盛んになったからではないかと言われている。

最近では、シュトレンの知名度も安定してきたからなのか、クリスマス時期以外でも、パン屋や洋菓子店でシュトレンを見かけることがあるので、ご興味ありました折にはマジパン入りのシュトレンをお味みしてみてはいかがでしょう。

とは言ってみたものの、やはり私の中でのマジパンと言えば、色々な意味で食べることを躊躇してしまう甘くて硬い、あれである。

理髪店のフィギュアを眺めながら、そのようなことを思った日。

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