幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

1本の串に刺すのは4個?それとも5個?

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ベランダに出ると、どこからともなく桜の花びらが舞い込んできた。

しゃがんで拾い上げようとしたら、吹き込んだ風に先を越され、淡いピンク色をしたそれは軽やかにベランダの向こう側へと舞い上がり、風に乗って遠くへと行ってしまった。

清々しい空の青色と、空へ向かって舞い上がる桜の淡いピンク色との組み合わせが、とても優しい雰囲気をしていたものだから、そのような色合いの訪問着を纏った女性を想像してしまった。

舞い散る花びらの様子を目にすれば、春にふと感じるもの悲しさなどを表す「春愁(しゅんしゅう)」という言葉が思い浮かんだりもするのだけれど、この日の私のセンサーは、儚さよりも華やかさ側に振れたようである。

そのようなことを頭の隅で思いつつ、ガーデンテーブルの上で作業をしていたのだけれど、小腹が空いたこともあり、作業を切り上げて「みたらし団子」を作ることにした。

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この「みたらし団子」、串に刺されたお団子を店頭で数えてみると、1本の串に4個のお団子が刺してあることが多いけれど、本来は1串に5個だったときく。

その理由は、京都で平安時代から続く「御手洗祭(みたらし祭)」にある。

この「御手洗祭(みたらし祭)」が行われていた目的は、日頃の罪や穢れを祓ったり、疫病から身を守ったり、無事に出産できるよう願うことだったという。

このお祭りが行われるときには、氏子の方々が作った串団子を厄除け人形としてお供えしたのだけれど、厄除け人形ということで、お団子の数は全部で5個にして、先端の1個は頭を、残り4個は手足を表したのだそう。

そして、この串団子が「みたらし団子」の始まりだと言われている。

時折、串の先端の1個と残り4個との間に隙間を開けた状態で仕上げられる「みたらし団子」を目にすることがあるけれど、この隙間を首に見立てているようだ。

このような背景が「みたらし団子」の始まりなので、みたらし団子と言えば1串に5個が正解なのだけれど、

時代を経る中で新たに発行された硬貨の登場により、支払った数と受け取るお団子の数を間違う人や、分かっていてズルをする人などが表れたことがきっかけとなり、お店側が1串4個で販売するようになり、これが今の串団子スタイルのもとになっているようである。

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私たちからすれば、いつでも簡単に手に入れることができる「みたらし団子」だけれど、本来は縁起物の和菓子で、人の姿を表していたことから健康への願いも込められているのだそう。

この日の私は、串に刺す作業を省きたくて、小皿に盛り付けるスタイルの「みたらし団子」にしたのだけれど、この話を久しぶりに思い出したこともあり、小皿の上に乗せるお団子は5個に。

「お団子」とひと口に言いましても、そこに含まれている思いや意味は、それぞれの様でございます。

何も知らずに食べても十分に美味しい「みたらし団子」ですけれど、「みたらし団子」を召し上がる機会がありました折には、今回のお話をちらりと思い出していただき、厄除けと健康祈願を美味しく楽しんでみてはいかがでしょうか。

「みたらし団子」にまつわるストーリーは他にもあるのですが、続きは、またの機会がありましたときにでも。

本日も、最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。

心穏やかな1日となりますように☆彡

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