ガーデンチェアで本を読みながら過ごしていると、大きな雲が風に流されてできた雲間から太陽の光が射しこんできた。
眩しさに目を細めつつ本を閉じると、足元にテーブルや椅子の影が、ぐーんと伸びるように現れた。
それは、潮の満ち引きを切り取ったみたいな現れ方で、ほんの少しだけ、大自然に触れたときのような、ほっとしたような不思議な感覚を覚えた。
潮の満ち引きは、太陽や月の引力によって現れるけれど、満潮と干潮の差が大きいのが、この時季である。
そして、この自然界のリズムを使って楽しむ潮干狩りは、春の風物詩だ。
私は未だ、片手で足りるほどの回数しか経験したことがない潮干狩りだけれど、潮の香りと風、降り注ぐ太陽を全身に浴びながらアサリというお宝を探すのは楽しいものである。
「いつでもできるから」とすら思わなくなったまま縁遠くなっていた潮干狩りだけれど、これも手帳の一ページに書き連ねている来年の「したいことリスト」に挙げておこうと思う。
アサリは美味しいけれど砂抜きなどの手間がかかるからか、面倒な食材という印象を抱く方も多いと聞く。
しかし、アサリには鉄分が豊富に含まれているため女性や育ち盛りの子どもたち、もちろん男性の皆さんにも嬉しい食材である。
血液の中に含まれている鉄分には、体中を巡りながら酸素を行き渡らせる役割があるため、不足すると、疲れやすくなったり、体が重くなったり、顔色が悪くなったり、筋力が落ちてくる、口内炎ができやすくなるといった不調が出てくる。
他にも、集中力が切れやすく、何となくイライラしてしまうなど、出てくる不調は様々である。
このような不調以外にも、鉄分が不足していると舌の温度が上がるため、氷を無意識にガリガリと噛んでしまったり、冷たい飲み物や食べものが欠かせなくなるのも鉄分不足のサインと一つだと言われている。
サプリメントに頼るのも鉄分を効率よく摂取する手段のひとつなのだけれど、長期間サプリメントに頼ってしまうと過剰に摂取した鉄分が体内に蓄積してしまい、
これが様々な不調を招くこともあるようなので、食事からこまめに摂る方が安心できるように思う。
そこで登場するのがアサリである。
しかも、フレッシュなアサリよりもアサリの水煮缶の方が、フレッシュなアサリの7~8倍もの鉄分が含まれているという。
たまに食べるのであれば味付きの缶詰も使い勝手が良けれど、こちらは塩分、糖分、脂質などが予め加えられているので、
健康面などを考慮すると、どのような料理にも使えて、幅広い方の好みに合わせて調理することができる水煮の方が鉄分補給以外の問題も同時にクリアできるように思う。
フレッシュなアサリには、フレッシュなアサリの美味しさや楽しみ方がありますけれど、缶詰には缶詰の美味しさや楽しみ方があります。
健やかに過ごすための鉄分補給や、緊急時を想定した備蓄食材という役割も兼ねて、アサリの水煮缶を見直してみてはいかがでしょう。
何かしらのヒントにしていただけましたら幸いです。
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