幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

毒草だらけのポイズン・ガーデン。

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後にジャガイモの芽が出てくるであろう場所を、一つずつくり抜いていく。

虫食いに遭ったみたいに見えるその姿に「毒対策完了!」と心の中で発しながら、皮剥きに取り掛かった。

ジャガイモの毒は、炒めても、揚げても、オーブンで焼いても無くなることはないと言われており、しっかりと毒を取り除く方法は芽の部分や緑色の部分を完全に取り除くことだと言われている。

美しいものにも美味しいものにも毒を持ったものはある。

そして、その毒も毒でありながら薬になることもある。

結局のところ、互いの領域を脅かすことをぜずに、適切な距離間をもって過ごすことができれば、上手に共存していくことができるのだろう。

これから、美味しく仕上げることをジャガイモに約束し、せっせと皮を剥いた。

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毒と言えば、イギリスにはポイズン・ガーデンと呼ばれる庭園がある。

そこは、その名が表しているとおり、毒草だけを集め育てている庭園だ。

お名前を忘れてしまったけれど、公爵夫人が所有する美しい庭園の一角にポイズン・ガーデンはあるという。

人気の観光スポットでありながら、黒く重厚感がある扉で閉ざされているポイズン・ガーデンだけは入場制限がかけられており、ここは担当ガイドと一緒に入り説明を受けながら見て回るツアー形式の観光スペースなのだそう。

美しさに誘われて、つい手を伸ばしたくなるような植物も多数あるようだけれども、全ての植物が毒を持っていることから絶対に触らぬよう、匂いも嗅がないよう注意されるようだ。

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植えられている植物の中には、大麻やコカインと呼ばれるような類の薬物を作る際に材料になるような植物が多数植えられているため、24時間体制で厳重な警備が行われているという。

しかし、そもそもどうして、このような危険植物だけを集めたスペースを作ったのか。

庭園に興味を抱くと同時に、庭園誕生のキッカケにも興味を抱いたものだから軽く調べてみたところ、この庭園を造った公爵夫人の話に辿り着いた。

彼女は、広大な土地に庭園を造るために世界中の庭園を見回ったようなのだけれど、毒を持たない草花にばかりが注目されることに対して違和感を覚えたのだそう。

そして、毒草のことに関しても毒を持たない草花同様に知ってほしいという思いから、薬物教育という役割を持たせたスペース、ポイズン・ガーデンを造ることにしたようだ。

薬物を植えて育てるわけだから、国の許可も取得済みである。

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私は、この庭園とのご縁は無く、このような庭園があることを知ったのは昨年の晩秋頃の日本で、である。

人は平穏を望みながらも、無意識かのどこかでスリルを味わいたいと感じでいる生き物なのだろう。

今は休園中の観光スポットだけれども、普段は大勢の人が足を運んでいるという。

かくいう私も、例に漏れずのようで、毒草だけを集めた庭を造りたいと思った彼女の斬新な発想に惹かれてしまい、いつの日か足を運んでみたい場所のひとつとして挙げている。

よく知りもぜずに怖いものだと分類するのと、怖いものである理由を知って分類するのとでは身の守り方も変わるように思う。

もうしばらくの間、国内外を自由に行き来することは難しいように思いますので、今回の画像は全てポイズン・ガーデンと、ポイズン・ガーデンがあるアニック・ガーデンの画像をお借りして、お届けしております。

ほんの少しの観光気分とともにお楽しみいただけばと思います。

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