しばらく使用していなかったバッグの中に、持ち運び用のジュエリーケースが入っていた。
取り出して中身を確認すると、中には修理に出す予定でいた、切れてしまったネックレスチェーンが2本入っていた。
いつでも修理に出せるようにとバッグの中に忍ばせていたのだろうけれど、外出の機会が減り、お店が休業に入り、しばらくの間、存在を忘れてしまっていたようである。
いつからバッグの中に放置していたのかまでは覚えていないけれど、久しぶりに確認したネックレスチェーンは、知恵の輪を軽く超えるレベルで絡まっていた。
指先で触れて解してみるも解れる兆しが見える気配はなく、チェーンは触れれば触れるほどキュッとキュッと締まっていくのだ。
それならばと、爪楊枝を持ち出し、再度解しにかかった。
これまでであれば、爪楊枝や針などを使用すれば、あっさりと片付く案件なのだけれど、この日は、爪楊枝も針も絡まったチェーンを解くことができず、人生初の白い粉を試すことにした。
私が使った白い粉とは片栗粉のことなのだけれど、ネックレスチェーンの絡まりをスムースに解く際に使う粉は、ベビーパウダーや小麦粉などでも同様の効果があると言われている。
出来るだけ表面が滑らかな紙の上に絡まったネックレスチェーンを置き、上から片栗粉かベビーパウダー、小麦粉など、自宅にある粉を振りかけるのだ。
こうすることで、金属の細かな隙間に粉が行き渡り、チェーン同士の摩擦が減って滑りやすくなるという仕組みである。
振りかけた粉をチェーンに塗すようにしながら爪楊枝(針でも可)を使って絡まっている一部分を固定し、もう一本の爪楊枝(針でも可)で、その周辺を解すと、あっという間にするすると解れたのである。
あまりにも、するすると解れてしまったものだから、解し足りないという謎の気持ちが湧いたけれど一件落着である。
あとは、流水で丁寧に粉を洗い流し、タオルとドライヤーを使って乾かしたら完成である。
いつだったかジュエリーショップの方に教えていただいた豆知識だったけれど、幸いにもこの知識を使うようなシチュエーションには至らず、ようやくお試しの機会を得たわけだけれど、なかなか使える豆知識という印象を受けた。
ショップの方は、使用した粉は丁寧に払い除くことができれば流水で洗い流す必要はないとおしゃっていたのだけれど、
チェーンの輝きや、肌の触れたときに薄っすらと感じられる粉っぽさを取り除きたい私は、自己責任だけれど流水で洗う方法に一票である。
チェーンが解せないほどに絡まるシチュエーションは、そう多くはないかと思いますけれど、汗ばむ季節はネックレスチェーンに汗や皮脂が残りやすく、それがチェーンを絡まりやすくする場合もあります。
そのような時には、今回のお話を記憶の隅から手繰り寄せていただき、ご自宅にある粉を使ってピンチを切り抜けていただければと思います。
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