昨年購入した、気持ち小ぶりサイズのポインセチアが二回りほど大きくなった。
夏の陽気を感じてのことだろうか。
ポインセチアらしさと言っても過言ではない赤い葉は、いつの間にか姿を消し、今は深く濃い緑色一色で、見た目はすっかり夏の植物だ。
冬を越せるのだろうかという私の心配をよそに、マイペースにすくすくと成長しているそれを頼もしく眺めるこの頃である。
成長と言えば、確かこの時季を「ばんしゅう(蕃秀)」と呼ぶ。
これは、『黄帝内経(こうていだいけい)』という中国最古の医学書と言われる読み物の中に登場する言葉で、夏の三カ月間をそう呼ぶという。
私は翻訳してある簡単なものを読んだ…いや、眺めた…ことがあるのだけれど、なかなか興味深いことが書いてあったように思う。
ばんしゅう(蕃秀)というのは、植物が枝葉を伸ばし、花が咲き乱れる様子を表しているそうで、簡単に言うならば、夏は活動の時季ですよ、成長の時季ですよと言っているのだとか。
そして、この時季の過ごし方としておすすめしているのが、太陽が沈んだら休み、太陽が昇ったら起きて日差しを浴び、適度に汗をかくことなのだ。
もしも、このような流れを無視する生活を送り続けたとしたら、それは身体を傷つけることに繋がり、このときの受けたダメージは秋に入ったときにじわじわと体調に現れ、冬に悪化するだろうと言っている。
これは、中国最古の医学書と言われる読み物なので、当時のあれやこれやを、現代にそのまま当てはめることは困難なのだけれど、
暑さで体力を消耗する夏を乗り切るためには、しっかりと睡眠を取ることや日差しを浴びることが大切だということは、現代の私たちにも通じるように思う。
今年も厳しい暑さの夏になりそうだと耳にし始めたけれど、そうなると、1日の大半を冷房が効いた部屋で過ごす方も多く、このような環境で過ごさなくてはいけない私たちの身体は、汗をかくタイミングを失ってしまいがちとなる。
このような生活が続けば、『黄帝内経(こうていだいけい)』で言われているように、熱や湿気を体内に溜め込み、秋冬の不調のもとを育てることにもなりかねないため、夏こそ湯船に浸かって汗をかくことを習慣化すると、身体の機能をフリーズさせずにすむようだ。
運動することが習慣化している方は問題ないけれど、そうではないと言う方は、毎日湯船で汗をかいて、お風呂あがりにはしっかりと水分を補給することを最低限の約束事にしても良いのではないだろうかと思う。
まずは1分。
湯船の中では何も考えずにリラックスして、身体をゆるゆるに解しながら汗をかいてみてはいかがでしょうか。
この時季の1分は想像以上に長いので、きっと、いい汗をかけるはず。
今年の後半を健やかに過ごすためのキッカケにしていただけましたら幸いです。
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