茶葉の買い置きを切らすことは無いと思っていたのだけれど、今年は外出範囲や回数を抑えているからか、気付けば紅茶、ルイボス、ハーブティーの茶葉がキッチンから姿を消していた。
全てを使い切ったという妙な達成感の中、この日はレモンジャムを使ったレモネードで一息いれることにした。
選んだグラスは、手の平に吸い付くような感触が心地良い琉球ガラスで作られたロックグラス。
沖縄の海のような青色をしたグラスの底にレモンジャムを落とすと、レモンの皮の黄色が映えて、夏らしいと思った。
そこに、炭酸水を勢いよく注ぎ込むと、レモンの皮がグラス内を浮遊し、炭酸はパチパチと音を立てながらレモンの香りを広げた。
涼し気である。
出来立てのこれを手にベランダへ出たのだけれど、思う以上に蒸し暑かったものだから、二、三回、口を付けただけで早々と室内に避難した。
そして、夏に似合うパチパチ音を聞きながら、スマートフォン内のお買い物リストに、私の定番茶である紅茶とルイボスを書き加えた。
次はどの紅茶を試そうかと、いくつかの茶葉が頭に浮かんだ。
紅茶は産地が異なるだけで随分と味や渋みに違いが生まれるのだけれど、産地以外にも、茶葉の収穫時期が異なる場合も味に大きな違いが出る面白い飲み物だ。
特に、今の時季に出回るダージリンの茶葉はセカンドフラッシュと呼ばれ、高級茶葉として販売されている。
紅茶と言えば、ベルガモットという名の柑橘の香りをダージリンやアッサムなどの茶葉に付けたアールグレイが1番、そう思っていたことがあった。
元になる茶葉とベルガモットの相性によって味や香りが大きく異なる点もアールグレイの魅力のひとつで、今でも好きなフレーバーティーのひとつではあることには変わりないのだけれど、今ではすっかりベーシックで表情豊かなダージリンの虜である。
確か日本独自の判断基準だったと思うのだけれど、世界三大銘茶と呼ばれる紅茶がある。
インドのダージリンはそのひとつで、他にもスリランカのウバという場所で収穫されるセイロンティーの中に、ウバの名称で親しまれている茶葉があり、このウバも夏のものがより上質だと言われている。
花束にも似た香りがする紅茶で、味はしっかりとした渋みがあるのが特徴だ。
ストレートで味わうとなると、この渋みに対して好みが分かれるような気もするのだけれど、この個性ある華やかな香りとしっかりとした渋みを持つ紅茶は、ミルクティーにすると大人仕様の贅沢なミルクティーに仕上がるように思う。
私はストレートでいただくことが多いため、ウバに手を伸ばす機会が少ないのだけれど、今年の夏はウバを使った大人仕様のアイスミルクティーを楽しんでみようかしらと思っている。
セイロンティーを好んで召し上がっている方は、一度パッケージをじっくりと観察してみてくださいませ。
もしかしたら、気付かぬうちにウバを好んで召し上がっていたということもあるかと。
そして、ウバを飲んでみたいという方は、まずはセイロンティーを手に取り、ウバかどうかチェックするという方法で探すと探しやすいかと思います。
あとは、ウバに限らず購入した紅茶葉の渋みが強すぎてイマイチだと感じられた場合には、渋みが強い紅茶はミルクと相性が良いということを思い出していただいて、一度、ミルクティーで召し上がってみてはいかがでしょうか。
新たな美味しさに出会えるかもしれません。
身近にあるお手軽な飲み物のひとつである紅茶ですけれど、楽しみ方は様々です。
いつも通りを軽やかに飛び越えて、お家カフェを満喫するキッカケやヒントにしていただけましたら幸いです。
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