幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

お米を薄っすらと覆っているものの正体とは?

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ここ数カ月、お米をじっくりと見たり、扱ったりする機会が多かったように思う。

以前も触れたような気がするのだけれど、

同じワードと頻繁に出会う時期というものがある。

過敏に反応しているだけなのでは?と言われればそれまでなのだけれども、

言葉を扱うことが常なので自分に内臓されている言葉センサーがどうしても反応してしまうのだ。

反応しなくなってしまっては非常に困るため、

このような時には内容はさておき、感度良好だと喜ぶことにしている。

 

そして、ここ数カ月間、お米というワードが、あまりにも私の前に登場するからだろう。

すっかりと忘れていた記憶が薄っすらと甦り始めた。

それは、随分と前の出来事なのだけれど、

友人が子どもを連れて泊りにきたことがあった。

どのような話題について話していたのかは覚えていないのだけれども、

食事中、友人の子どもに

「どうしてお米は洗うって言わないで研ぐって言うの?」と尋ねられたのだ。

子どもの視点に「そういうものだから」という答えは通用しない。

「お米もきれいにしてるんでしょ?」

ほろ酔いの時というのは少々面倒でもあるのだけれど、

この類の真っ向勝負は真っ向から受けて立つべし!

そのような気持ちで少しだけ姿勢を正したような記憶がある。

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お米は「研ぐ」という表現が正しいのですが、

これは昔の精米技術がもとになっております。

今の様な精米技術が無かった頃は、

お米の表面を覆っている糠(ぬか)を精米時に取ることができませんでした。

糠は美容や健康に繋がる成分として注目されているのですが、

美味しいご飯を炊くという目的においては、少々厄介な成分なのです。

 

何が厄介なのか?

糠には油分が多く含まれており、水で軽く洗うだけでは糠を落とすこができません。

取り除いた糠からは米糠油という油がとれるくらいなので、

糠の油分がしっかりとした油だということが想像できるのではないでしょうか。

 

油が搾り取れるほどの油分を含んだ糠が付いている状態でお米を炊いてしまいますと、

糠特有のにおいや、油分の影響で食味も落ちますし。

油が酸化してしまいますので日持ちも悪くなります。

このような理由から美味しいお米を食べるためには、

油分が含まれている糠をきちんと取り除くために

お米でお米を研ぐようにして洗うことが大切でした。

このようなところから、お米は「研ぐ」と表現されるようになったわけでございます。

 

ただ、現在の精米技術であれば糠もほとんど落とされていますので、

どちらかといえば、お米は洗うという感覚に近いのかもしれません。

感覚そのものは「お米を洗う」に近くなってはきたものの、やはりお米は「研ぐ」もの。

洗うという感覚よりも研ぐ感覚を意識してみると、

薄っすらと残っている油分が取り除かれて

普段よりも、ご飯が美味しく炊き上がるかもしれません。

 

このような話を、もっと噛み砕いて伝えたわけですが、

どうしたら油を見ることが出来るのか?

自宅でも油は搾り取ることができるのか?

新しい質問を頂戴しましたが、心の中で「(今日はごめん)」そう謝って、

「どうしたら油をみることができるのか分かったら教えてね。」

そのような言葉で逃げてしまったことも一緒に思い出しました。

あの答えには辿りつけたのだろうか……。

 

そろそろお餅ではなく炊き立てごはんを欲することが多くなり始める頃ですね。

お米の表面に薄っすらと残っている糠の油分の存在を思いだして、

お米を研いでみてくださいませ。

そうすれば、あなたの「ご飯マイスター」っぷりに

更なる磨きがかかるのではないでしょうか。

今宵も美味しいご飯を召し上がれ。

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