色
真っ赤なテーブルクロスを洗った。 12月のホームパーティーと言えば聞こえが良いけれど、早い話、家吞みのときに使用するイベント時専用のクロスである。 柄に凝ったこともあるのだけれど、食器や料理との相性を考えた結果、シンプルな無地のものに落ち着…
4月にいただいたバラの花が1か月経った頃、花瓶の中で色褪せぬままドライフラワーになった。 果てた姿までも美しいと感じられるのは、バラの気品がそうさせるのだろうか。 想像以上に長い時間、楽しませていただいたバラを花瓶から取り出した。 花瓶に対し…
お天気が良かったその日、自分を丸ごと太陽光で殺菌してしまおう。 そのようなことを思い立ち、ベランダへ出た。 流れる風は、ほんの少しの冷たさを含んでいたけれど、太陽光の温かさと相まって心地良いものに感じられた。 いつだったか、知人が「人間は自然…
既にあちらこちらで寒桜ではない桜が咲いていると見聞きする今年は、早春をゆっくりと楽しむ間もなく、本格的な春がやってきそうな勢いだ。 先日は、街路で沈丁花を見つけた。 まだ、微かにそれだと分かるほどの香りしか放っていなかったけれど、あと数日も…
出先で素敵な竜胆色(りんどういろ)をした蕎麦猪口を見つけた。 竜胆色(りんどういろ)は、ほんのりと紫色を帯びた柔らかい印象の青色のことで、お盆から秋にかけて目にすることができるリンドウの花の色である。 この色名は日本の伝統色にも使われており、古…
景色の色合いが徐々に秋らしさを増してきた。 パッと目を惹くビタミンカラーから落ち着きを感じられるアースカラーへのシフトである。 まだ夏の残り香のような暑さは残っているけれど、その落ち着きある色味に日差しが当たっているところを目にすれば、気分…
インテリア雑貨を多く扱っているショップをふらりのぞいた。 何か欲しているものがあったわけではないのだけれど、このような空間は目の保養になったり、素敵だと感じるけれど、自宅をそのように変えようとは思わない雰囲気のものを目にすることで受ける刺激…
この時季になると、学生の頃に友人が言い放った言葉を思い出すことがある。 それは、「夏ってさ、どさくさに紛れてやってくるから嫌なんだよねぇ」というもの。 本当にその通りだと思って大きく賛同し、上手いこと言うなと感心したのだ。 確か、鎌倉にある紫…
実際のところは分からないけれど雨があがった後の空気は、空気の汚れが雨で洗い流されたかのようで清々しい。 車が車道をビュンビュンと走り抜けていく様子は、普段と何ら変わりないというのに、歩道を歩きながら深呼吸をしてしまうほどだから、 やはり、気…
その日は、目的地を目指して自然豊かな田舎道を車で走っていた。 車窓から見える景色は、瑞々しさ溢れる緑色に覆われていた。 緑色は安心感や調和をもたらしてくれると言われている色なのだけれど、中間色ということもあり、そばにある色によって人に与える…
道ですれ違った女性が、羽を広げた孔雀のように見える扇子で扇いでいた。 すれ違うときに、ふわりと鼻先をくすぐったのは白檀の香りだったように思う。 僅かな時間のことだったけれど、扇子の美しさと上品な香りが、私の脳裏に強く焼き付いた。 自宅に戻って…
この時季は、外の景色が日々変わっていく。 数日前には咲いていなかった花が咲いていたり、芽吹いていなかったはずの木の枝には、枝が見えなくなるほどの新芽が出ていたり、 散り終えた桜の花の後を引き継いだ若葉の色は、一層深みが増していて、ちょっとし…
出先で素敵な色をした蜻蛉玉(とんぼだま)を見つけた。 蜻蛉玉(とんぼだま)とは、中央を突き抜ける穴が開いたガラス玉で、様々なアクセサリーのパーツとして使われたり、インテリア雑貨やお香立てなど幅広い用途で使われるものである。 このガラス玉には様々…
冬の気配を少しだけ残したような冷たさの中を、ほのかに温かい風が駆け抜けた。 その風は、温かい部屋で食べる冷たいアイスの美味しさに、少しだけ似ていたように思う。 人はナンダカンダ言って欲張りだから、異なる心地よさを同時に得ているとき、胸の内側…
信号待ちの間、ぼーっと信号機を眺めていて思い出したことがある。 もう随分と月日が経ってしまったけれど、英国暮らしをしていた頃の知人が、日本へ遊びに行くので会わないかと連絡をくれた。 日本には、どれくらいの期間滞在するのかと問えば、今の予定で…
寒い。 ひと晩かけて自分の体に馴染んだ、何とも言えぬ温かさのベッドから抜け出すのに勇気がいる季節である。 遠くの方で微かに聞こえているかのような音量のアラーム音が、次第にボリュームを上げながら耳元へ近づいてくる朝だ。 アラームを止め、ブライン…
先日、少し早いかな、どうかな、などと思いながらエアコンのスイッチを押した。 もちろん、暖房の。 温風がリビングを優しく覆っていく感覚が心地よく、もう少し早くスイッチを押せばよかったと思った。 窓から見える空は白く、気温がグッと下がったからだろ…
コスメショップの店員と雑談を交わして感じたことがある。 情報が溢れ、誰かが放った、たった一言さえもがあっという間に拡散する今は、 情報を程よく取り入れたり、参考にしたり、 自分に合うようにアレンジすることは、意外と難しいことなのかもしれないと…
パウダールームに入ると、シックな着物を身にまとった素敵な女性が目に入った。 普段から袖を通しているのだろうと感じさせるような、余裕を感じる所作に視線を奪われそうになり、 見過ぎてはいけない、いけない。と自分に言い聞かせた。 女性のそばを過ぎよ…
色鉛筆やカラーペン、パステルを取り出して、ひと通りのお手入れを施した。 やはり、あるべき姿を取り戻した道具は、背筋がスッと伸びるような空気を醸し出す。 それらを所定の位置へ片付けていると、随分と前に購入したままになっていたスクラッチアートブ…
友人がポツリと言った。 大人の塗り絵は楽しいけれど、塗り終えたものを見直す機会は無いよね、と。 数年前に幸せのレシピ集内でも触れた大人の塗り絵。 塗り絵はアートセラピーでもあるため、ストレス解消だけではなく、癒し効果、認知症予防、 集中力を高…
愛用しているボールペンのインクが切れ、替え芯を求めて売り場を目指した。 いつもの買い置きの量では、そう長くはもたないことが分かり、 今回は、いつもよりも多い量の替え芯を購入することにした。 深い青色をしたそれを手に取り本数を数える。 10本も…
ここ数か月間の日課だった「エアコンのスイッチを押すこと」から、いつの間にか解放されていた。 ブラインドを開けて室内に取り込む朝陽も随分と暖かみを帯び、 昨日よりもまた少し、春が増したように思う。 コーヒーメーカーに、豆やフィルター、水をセット…
月に1、2度、フラワーショップへ足を運ぶ。 少しだけヒンヤリとしている色鮮やかな空間に足を踏み入れると、 全身にフレッシュな空気がチャージされるようで心地良い。 店員の方と言葉を交わすようになると、 花が咲く過程を楽しむことができる鉢花を育て…
生憎のお天気で予定していたお出かけが延期になった。 ベランダから腕を伸ばして手のひらで受け止めた雨は、雪になりかけの状態の雨粒で、 私の体温で溶かされる前にシャリッと音がしそうな風貌を一瞬だけ見せてくれた。 真っ白な空から儚く降る、雪になりき…
少し前に、ピカールのお話をしたからだと思うのだけれども、 最近、磨きたい、いや、磨き上げたい気分が沸々と湧き上がっている。 それならば、目につく場所を徹底的に磨きあげれば大掃除も完璧で一石二鳥じゃない! と思うのだけれども、そうは問屋が卸さな…
昨年の今頃、頭の中でグルグル巡る言葉たちを落ち着かせようと散歩に出た先で、 カワセミが、この時期の野鳥であることを、通りすがりのご老人に教えていただいた。 カワセミと聞いてすぐにその姿を思い浮かべることはできなかったけれど、 「翡翠」と書いて…
カフェでお茶を飲みながら街中の木々の色付きを眺めていた。 ふと、真っ赤な楓が恋しくなり、今年はとびっきり真っ赤な楓を観に行こうと思った。 目の前の紅葉そっちのけで燃えるように赤く色づいた楓を想像していたら、 そういえば、と、ある植物園の方に教…
幸せのレシピ集では毎月、 その月にお誕生日を迎えるレディーの皆さんをお祝いする気持ちを込めまして、 今年は、生まれた月ならではの誕生色というものをご紹介しています。 誕生色の誕生については、過去に何度か触れさせていただいておりますので、割愛致…
幸せのレシピ集では毎月、 その月にお誕生日を迎えるレディーの皆さんをお祝いする気持ちを込めまして お誕生日月に関連するお話をさせていただいております。 2回目のお祝いとなる今年は、『誕生色』というものをご紹介させていただいております。 誕生色…