オトナの知識
先日、レジ前で現金を取り出した。 慣れていたはずの動作に妙な違和感を覚え、いつの間にか、お財布からお金を取り出す機会が減っていることを自覚した。 久しぶりに受け取った小銭をお財布に戻しいれたとき、ピッカピカに光る10円玉が目に留まった。 新し…
今年は浴衣を着る機会があるだろうか。 そのようなことを思いながら、全ての浴衣を取り出した。 梅雨が明けたら風を浴衣に軽く通して、虫食いに遭っていないか、色褪せた部分はないかなどを確認する恒例作業である。 初夏から夏にかけて纏うものだけれど、柄…
あ、気付けば6月16日が過ぎてしまっている。 開いた手帳に細々と書き込みながら気が付いた。 さすがに「和菓子の日」までは記されていない私の手帳を眺めながら、来年の手帳レフィルを購入したら6月16日のスペースに「和菓子の日」であることを書き込…
最近、目にする機会が増えているCMがある。 CM内には「桃太郎は、あまりの暑さに川を泳いで行ってしまいました。かぐや姫は森林伐採で竹を見つけられず……人魚姫はゴミが邪魔で地上に上がれませんでした。物語が変わる前に、守りましょう、地球環境」とい…
自宅近くにある公園の一角に立派な松の木が植えてある。 その松の木の幹は、地面から2メートルほどの高さから横へ折れ曲がった状態を保ちながら伸びており、その横へと延びた幹を支えるための添え木が数本設置してある。 日当たりが悪いような場所ではない…
そろそろ白菜も名残の時季である。 幅広いメニューに対応できる野菜ではあるけれど、鍋野菜に使う機会が多いこともあって冬野菜のイメージが強いように思う。 しかし、その栽培時期は秋から初夏辺りまでと思いのほか長く、3月から5月辺りまでに出荷される…
ついつい先延ばしにしてしまうモノゴトがある。 単に時間の余裕がなくて、その物事に辿り着くことができないというような場合もあるけれど、ここでいうそれは、時間を確保できるにも関わらず先延ばしにしてしまうような「モノゴト」のことである。 以前、先…
ここ最近、春のお弁当をいただく機会が続いていたのだけれど、どれも丁寧な仕事ぶりが伝わってくる日本料理で全く飽きることなく堪能することができた。 小さな重箱を開けた時の、目に飛び込んでくる春の色合いは、期待感をしっかりと後押ししてくれるものだ…
既にあちらこちらで寒桜ではない桜が咲いていると見聞きする今年は、早春をゆっくりと楽しむ間もなく、本格的な春がやってきそうな勢いだ。 先日は、街路で沈丁花を見つけた。 まだ、微かにそれだと分かるほどの香りしか放っていなかったけれど、あと数日も…
考え事をしながら歩いていると、カチカチッ、カチッカチッと聞きなれない音がした。 その音の正体を突き止めようと、ひと目に怪しい人物だと映らない程度に辺りを見回すと、内装工事中の店舗の外で作業員の方々が石で石を叩き崩しているところだった。 素材…
必要に迫られて万葉集に目を通していたのだけれど、お目当てのものに辿り着くことができずにいたところ、百合の花を詠んだ歌に目がとまった。 万葉集には、様々な花が登場するけれど百合の花は登場回数が多い花のひとつだ。 今のようにフラワーショップがあ…
先日、ベランダに備え付けてある避難はしご(避難ハッチ)の定期点検が行われた。 特別な準備など必要ないという思いから、紅茶を飲みつつ資料整理をしながら順番を待っていたのだけれど、外が慌ただしい気配を帯び始めた頃になって、ガーデンテーブルなどが上…
時間や曜日の感覚が定まらないライフスタイルで過ごしていると、祝祭日に疎くなってしまうのだけれど、今月は建国記念日や天皇誕生日の振替休日があることに、数日前に気が付いた。 私は、カレンダーを見て、今日は建国記念日かと思うだけのことがほとんどだ…
年に1度、多くて2度ほどだろうか、薬箱の中を整理する。 作業そのものは簡単なもので時間もかからないのだけれど、頻繁に覗き込む薬箱ではないことが原因なのか、何となく面倒だと感じる作業である。 この日は、滅多に開ける機会がない絆創膏や包帯、湿布…
そのうち開くであろう時季外れの新年会用にと、日本酒を探し求めに出かけた。 お目当ての品は、この時季に味わうことができる「新酒」や「しぼりたて」と呼ばれるもの。 この表現に正式な決まりはないと言われているので、多種多様な視点による「新酒」や「…
お正月飾りを片付けながら節分飾りを少し出したこの日、昨年の干支飾りである亥(いのしし)への労いも一区切り。 12年も先のことは分からないけれど、この亥(いのしし)を再び取り出すときも、心穏やかに笑顔でいられたらと今年も思いながら、彼らを収納スペ…
今年もあっという間に過ぎていくような感覚に焦りを覚え、もしや「妖怪いそがし」の仕業では!?と思い、一息つくことにした。 ※「妖怪いそがし」にご興味ありましたら、下記の過去記事『休息することに罪悪感を覚えることがあるアナタ、「妖怪いそがし」に…
時折、口にする和菓子の美味しいこと。 その中でも桜餅やお月見団子など、季節の行事と結びついているものとなると、美味しさが数割ほど増すように感じられるものだから、気が付けば、ひと口を普段よりもじっくりと味わっているように思う。 冬の寒さが深ま…
日本の年末は慌ただしい。 昨日までクリスマスの雰囲気に包まれていた街中の景色は、早着替えのようなスピードで、新年を迎えるための装いに入れ替えられ、新年までのカウントダウンを始める人も多いのではないだろうか。 私も、その年最後の力を振り絞るよ…
大掃除をしなくてはいけない場所は多々あるのだけれど、レターボックスの整理に手を付けた。 全ての作業に優先順位を付けるならば、多分これは下位に位置する作業である。 そのようなことを思いながらも黙々と手先を動かして仕分けしていると、古いクリスマ…
11月下旬頃から飾っている朱赤と黄色のアルストロメリアが、そろそろ終わりをむかえようとしている。 蕾が開くと花びらの内側に沢山の斑点がある、ちょっぴりエキゾチックな姿をしている花だ。 その斑点に対して好き嫌いが分かれるようなのだけれど、目に…
おすすめしていただいたイタリアンレストランのエントランスを潜った。 イタリアンと聞いていたこともあり、私の脳内には、これぞイタリアンといった店構えや内装のイメージが広がっていたのだけれど、店内はイタリアとスペインを混ぜ合わせたような、温かみ…
今の表現は、どちらの意味だったのだろうかと、直前の会話や文章を思い返しながら、会話を続けたり文章を読みすすめたりすることがある。 確か、キンキンに冷えたアイスティーを美味しいと感じていた今年の夏の頃だったと思うのだけれど、「なし崩し」という…
夏の置き土産のように見えたゴールデンキウイが、「今年最後です」のポップと共に積み上げられていたのは数週間ほど前のことである。 キウイは通年で入手できるフルーツだけれども、偶然にも「今年最後」となる品種だったのか、揺れるポップにつられて2個、…
隙間時間を利用して小物整理を始めた。 この日のターゲットスペースは書道道具を収納している辺りだ。 筆の取捨選択を行い、墨や墨汁の状態をひと通り確認し、硯(すずり)や落款印(らっかんいん)も確認した。 落款印(らっかんいん)を確認していると、彫られる…
歩道の吹き溜まりで、真っ赤な落ち葉が乾いた音を響かせながらクルクルと回っていた。 美しい艶を帯びた赤色の正体を知りたくて辺りを見回すと、赤く染まった葉をつけた桜の木があった。 桜のイメージと言えば、開花時の桜色、初夏の緑色、いつの間にか葉が…
駅近くのビルに入っているとある飲食店。 通された席は、外の景色を見下ろすことが出来る場所だった。 少しずつ日が落ちていく景色を淋しい景色だと感じる人もいるけれど、私は何だか、とてもほっとする。 現実は、夕飯を食べてからもうひと頑張りということ…
やっと、いつまでもベッドの中の温もりに包み込まれていたい、そう思う季節になった。 眠い目を擦りながら、いや、私の場合は目を閉じたままなのだけれど、ちょっとした自分との闘いに勝ってベッドから抜け出すと、全身の毛穴が「さっむーい」と言って口をキ…
玄関を出た直ぐの場所に立派なカマキリが立っていた。 室内へ入ってこないよう細心の注意を払いながら素早く玄関ドアを閉めた。 人間と昆虫。 体の大きさや力の差は歴然としているけれど、大きなカマを両の手で振り上げているようなポーズでギョロリと見据え…
ふらりと立ち寄ったワイン専門店でハニーワインを見つけた。 ハニーワインは、ヨーロッパで古くから親しまれている、ハチミツを発酵させて造ったワインで日本ではシンプルに蜂蜜酒と呼ばれることもある。 ハチミツには、ビタミンB群をはじめとする豊富なビ…