七十二候
鮮魚売り場を通ると、「魚介」や「魚貝」の文字が目に留まった。 ワタクシ過去に、どちらを使えば良いのだろうとキーボードを叩く指先が留まったことがある。 執筆作業をしていると時折起こることなのだけれど、意識をすればするほど、分かっていたはずの正…
夏が本気を出し始めたばかりだというのに、暦の上では、そろそろ立秋期間に入るそうだ。 (※2020年の立秋期間は8月7日から22日まで) そう他人事のように思ってしまうのは、私自身が季節の移り変わりに付いていけていないからだろうと、幾つかの予定を…
その日は、年に数回しか使わない小路を選んで目的地を目指すことにした。 まっすぐに伸びた小路に人の姿は無かったけれど、建物の隙間を縫うようにして差し込んでくる日差しと、それによって生まれる日影とのコントラストは、いつ見ても味がある風景で、思わ…
卵を割ったら卵黄が2個入っていた。 卵にアタリもハズレもないけれど、当たりくじを引いたような気分になり、卵黄を溶きほぐす手が止まってしまった。 手が止まったと言っても、ほんの一時ではあるのだけれど「今日の良いことトップ10」入りは確実である…
手帳に印字してある七十二候は、春の兆しに誘われて草木が芽吹き始める頃を知らせる「草木萌動 (そうもくめばえいずる)」の時期に入っていた。 もうしばらくの間、地上にいる私たちはアウターを完全には手放せないように思うけれど、地中では既に気温が上が…
年末年始の慌ただしさを振り返りつつ、今年も着々と時を刻んでいくのだなと、他人事のような思いでキッチンの水を出した。 程よく温められた水道水を使って作業をすることもできるのだけれど、私は、手の表面を覆ってくれている薄い皮脂ベールが根こそぎ洗い…
11月もいつの間にか半分を過ぎるようだ。 「過ぎるようだ」などと、他人ごとのような物言いをしてしまうのは、流れゆく時間に追われなくないと思う私の勝手なのだけれど、七十二候がそのように思っている私に忖度するはずもなく、暦の上では、寒さによって…
次第に音量が増していく小鳥のさえずりは、私が愛用している目覚ましアラーム音である。 無機質な音で目覚めるのは何だかちょっと……。 かといって、リズミカルなメロディーや穏やかすぎるメロディーも何だか違う。 そのようなことを思いながら幾つかのアラー…
ワタシ、エスパーにでもなってしまったのだろうか。 捲っていた手帳を閉じ、そう思った自分に小さな突っ込みを入れつつ、エアコンのリモコンスイッチをグイッと押した。 目にしたページには、「土潤溽暑(つちうるおいて、むしあつし)」とあった。 文字並び…
7月17日辺りから、七十二候は「鷹乃学習 (たかすなわちわざをならう/たかすなわちがくしゅうす)」という期間に入る。 どのような時季なのかと言うと、この文字の並びから想像できるとおり、今年生まれたばかりの幼い鷹が、飛ぶことや獲物の狩り方など生き…
細道を抜けて大通りに出ようと思い、普段あまり使わない道へ入った。 すると、細道へ入ってすぐのところに数人の、ご年配女性たちの姿があった。 特段気にすることもせず、女性たちの背後を通り過ぎようとしたところ、付近一帯へ視線を向けていた1人の女性…
日差しに夏の気配が混ざり始め、吹く風が心地良いこの時季は、木陰を歩かないようにしている。 過去に幾度か、生まれたばかりの虫たちが木の上から落ちてきて衣類にくっついていたことがあったからだ。 重さを感じ取ることができない生まれたての虫に気が付…
早咲きの品種は既に開花している桜だけれど、先日七十二候(しちじゅうにこう)である「春分」の期間が終わり、次候である「桜始開 (さくらはじめてひらく)」に入った。 七十二候(しちじゅうにこう)は、春夏秋冬を24の季節に区切り、その24に区切った…
手帳をぺらぺらと捲っていると、ほんのりとした控えめな文字色で次候(じこう)が記されていた。 朔風葉を払う(さくふう、はをはらう)と。 日本の四季である春夏秋冬を24の季節に区切り、その24の季節を更に細かく表現した言葉を二十四節気(にじゅうしせっ…
カレンダーの隅に「蚯蚓出ずる」と小さい文字が印字してあった。 ん?何が出てくる頃なのだろうか?と思った。 パッと読むことができなかったもどかしさから、早く逃れたかったのだと思う。 様々な視点から思い出すこと、推測することを簡単に諦めた私は、書…
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているので、そろそろ秋も本格的に深まる頃合いですね。 皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか? そして、春先にやってきたツバメたちが2回の子育てを終え、少しずつ暖かい南の地へと旅立つ頃でもあります。 七十二候(…