幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

秋の花と草花を摘む男性のはなし。

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掃除を終えた室内の香り付けにとアロマキャンドルを手に取った。

夏の間はお香やアロマオイル、アロマミストの中から軽やかな香りのものを好み選んでいたけれど、キャンドルや甘い香りに手が伸びるようになり、季節の移り変わりを感じるこの頃である。

この日も、エアコンを付けてはいたものの、そろそろ花持ちもぐっと伸びる季節だと思い立ち、この時季のちょっとした楽しみ、チョコレートコスモスを買うため、家を出た。

数年前に知ったチョコレートコスモス。

幸せのレシピ集内でも触れたことがあるのだけれど、それは深紅色にビターチョコレートを混ぜ込んだような、シックで落ち着きあるダークカラーをしており、これまでのコスモスのイメージを少し変えてくれる品種である。

そして、もう一つの特徴は香り。

その名のとおりココアやチョコレートに少しバニラを混ぜたような印象をしており、涼しくなってきた日常に似合う香りをしている。

コスモスを買う習慣が無かった私に、コスモスの魅力を教えてくれた品種である。

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この日の気分は、そのチョコレートコスモスだった。

足取り軽く玄関を出て、エレベーターホールの前に立った。

扉に薄っすらと写り込む自分の姿に違和感を覚えたものの原因が分からず、しばらくの間、ボーっとしていた。

あとワンフロアーほどで目の前の扉が開くというタイミングで、マスクをしていないことに気が付き、危ない、危ない、新エチケットと、慌てて自宅内へと踵を返した。

そのような“ウッカリ”をふたつほどやらかしたけれど、無事にフラワーショップに到着し、店内をぐるりと見回った。

ピンクやマゼンタ、パープルにホワイトなど可愛いコスモスが多数入荷していたけれど、お目当てのチョコレートコスモスは、入荷しておらず空振りとなった。

分かりやすく残念な顔をしていたのだろう。

店員に、チョコレートコスモスの入荷はないけれどチョコレートコスモスのような色をしたダリアが入荷していると言われた。

ダリアは9月の誕生月花であり、今が旬と言える花のひとつである。

バックヤードから運び出していただいたダリアは、とてもゴージャスで妖艶な姿をしていた。

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ダリアはナポレオンの奥様が溺愛した花だと言われている。

その背景には、昼ドラのようなエピソードもあるけれど、ダリアもまた人の心を魅了する花のひとつである。

この時季のウェディングブーケに使われることが多い花で、使われる理由は、色やカタチのバリエーションが豊富なので、好みやドレスとの相性など様々な希望を叶えられるからだろうと推測する。

他にも、豊かな愛情という花言葉を持っていることもウェディングブーケに使われる理由かと。

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そうそう、ウェディングブーケやブートニアはヨーロッパ発祥のものだという。

古の男性たちはプロポーズの日、森や原っぱに咲く草花を摘み集めながら彼女のもとへ向かったそうだ。

道すがら摘み集めた草花は、彼女の家に着くころにはそれなりの量になり、愛が込められた花束となる。

そして男性は、この花束を渡してプロポーズするのである。

彼女は、プロポーズを受けるのであれば、受け取った花束の中から1輪を引き抜き、彼の胸元に挿すという習わしだ。

華やかさと、おめでたい雰囲気が出るウェディングブーケとブートニアだけれど、ブーケはプロポーズしたことを示すもので、ブートニアは結婚の申し出をお受けしましたという意味が込められている。

現代人にとってこれらのアイテムは、どちらかと言えば、アクセサリーを身につけるようなイメージでフラワーショップに依頼する流れが主流だけれど、

古の頃の、男性が一凛ずつ摘み集めていく姿を想像すると、何だかとても優しい気持ちで心が満たされるように思う。

そのような話を思い出しつつ、この日はチョコレート色をした、ゴージャスで妖艶なダリアを1輪買って帰った。

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ダリアやコスモスがキレイなシーズン到来でございます。

機会がありました折には、季節のお花をご自宅にお迎えしてみてはいかがでしょうか。

本日も、ここへ足を運んでくださった皆様に良き風が吹きますように☆彡

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