延長コードを使おうと、コード類をまとめているボックスを久しぶりに開けた。
引っ越しをする度に様々な長さのコードが必要になるものだから、いつの間にかサイズ違いがひと通り揃ってしまっている。
ボックスを覗き込みながらコードを選り分けていたのだけれど、ひっくり返した方が早いと思い、全てのコードを床の上に広げるとショッキングピンク色をした縄跳びが紛れ込んでいた。
入れた覚えも購入した覚えもないそれに対して、クエスチョンマークが幾つも思い浮かんだけれど、きっとパッキング作業中に適した行き場が見当たらず、コード類という括りでボックスの中に押し込んだのだろう。
紛れ込んでいた縄跳びにそう目星を付け手に取った。
日本では体育の授業で縄跳びをする学校が多いため、多くの人が経験したことがある運動のひとつではないだろうか。
また、縄跳びは1日10分程度飛ぶだけで十分な全身運動になり、心肺機能を高めることもできることから、大人になって改めて手に取る人も多いと聞く。
私が外国暮らしをしていた頃、週に一度だけイギリスの小学校へ書道を教えに行っていたことがある。
しかし、それだけでは双方の距離が思うように縮まらないという理由から、授業開始前の休み時間を一緒に過ごす日もあった。
そのときに子どもたちとすることと言えば、当時は縄跳びに誘われることが多く、私も童心に返って縄跳びを楽しんでいた。
しかし、あちらで縄跳びと言えば、縄の片方を木やポールなどに結び、もう片方を人が持って回し、縄を潜ってあちらへ渡ったり縄を飛び越えたり飛んだりする大縄跳びが主流のようだった。
もちろん、ひとりで飛ぶ縄跳び遊びもあったのだけれど、子どもたちの多くは淡々と飛ぶだけだから面白くないと言い、子どもたちが「縄跳びをしよう」と誘ってくれるときには「縄跳び=大縄跳び」という意味なのだとその時に知った。
ある日の大縄跳びの休憩中、私は久しぶりに手に取った一人用の縄跳びの懐かしさから、前飛び、後ろ飛び、交差飛び、二重飛びなど覚えている縄跳び技をやってみたのである。
体が動きを覚えていてくれたことに安堵したところで縄跳びを止めると、子どもや先生たちから注目を浴びていたのである。
聞けば、イギリスにも縄跳び遊びはあるけれど、日本のように様々な技を覚えるような授業はないとのことで、その日予定していた書道の授業は無くなり、運動神経が特段良いわけでもない私が、縄跳びを教える時間に変更となった。
子どもたちの、はじめて目にする技を一生懸命練習する姿や、できた時に飛び上がって喜ぶ姿などを見ていると、可愛いやら懐かしいやら、小学生のときに覚えた縄跳びがこんな場所で役に立つなんてと驚いたりもした。
日本では、どうしてこれ程までに縄跳びがメジャーなのか、その辺りはよくわからないけれど、一人縄跳びでできる技を持っていることは、ちょっとしたアピールポイントでもあるようだ。
今年は行動範囲が狭くなっているので、少し気を抜くと運動不足まっしぐら。
既に味覚の秋、食欲の秋がやってきているので、ショッキングピンクの縄跳びを見つけたこの機会に、縄跳びエクササイズで手っ取り早く全身を整えようかと思ってい。
場所を取らず、美容と健康の双方からボディメンテナンスができますので、ご興味ありましたら皆様もいかがでしょうか。
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