幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

幸せのレシピ集の中で巡る小さな美術館

「ムンクの叫び」と「アイスクリームは結構です」

友人から届いたメッセージに絵文字がズラリと並んでいた。 使われていたのは、人が叫んでいるような顔をした絵文字である。 ムンクの叫びを元にデザインされたように見える、その絵文字を眺めながら、あの作品のことを思い浮かべた。 私たちが「ムンクの叫び…

お役目終えた木彫り熊。

マンション内のゴミ置き場へゴミを捨てに行った。 入り口の扉を開けて中に入ると、視線の先に猫か何か、小さな動物が座っているような気がして、体がビクッと小さく跳ねた。 動く気配が無かったものだから近づいて見ると、木彫りの熊が2体並べられていた。 …

刺繍の奥にある景色。

長年愛用している革製のコースターがある。 母の友人に革細工を趣味にしている方がいるのだけれど、その方が、ようやく人様に贈れるくらいの腕になったからと言ってプレゼントしてくれたものだ。 そのコースターを母と半分ずつにしてから随分と年月が経った…

無理に枠にはめる必要はないようだ。

和柄が側面をぐるりと囲む蕎麦猪口を出し、ミックスナッツを入れた。 カランカランッと食欲をそそる音がしたかと思えば、あっという間に蕎麦猪口内が密状態になった。 食塩がまぶしてあるものも美味しいけれど、自宅用に購入するものは決まって塩分不使用の…

ジャパニーズパープルに染め上げられた髭。

テーブルの上に広げた色鉛筆を横目に、ルイボスティーのお替りを求めてキッチンへ向かった。 新しいティーパックをマグカップに入れてお湯を注ぎ入れながら、「あれは髭だろうか」と思った。 私が手っ取り早く頭の中を空っぽにしたいときにすることの一つに…

ヴィーナスのポージング。

しばらく使っていなかった画材道具を取り出そうと、滅多に開けない収納スペースを覗き込んだ。 そこで、行き場を無くした細々としたものを詰め込んでいる箱に目が留まったため、画材道具そっちのけで箱を取り出した。 中には、どこかの国で購入した小さなピ…

知名度が密かに上昇しているアマビエとは何ぞや?

最近、国内外のアーティストの方々が描いたり、作製したアマビエを目にする機会が増えた。 「国内外を問わず」というところに、世界規模での一体感が感じられる。 アーティストの個性や思いが感じられて目や心の保養にもなるのだけれど、ご利益もあってほし…

遊び心の印、遊印。

隙間時間を利用して小物整理を始めた。 この日のターゲットスペースは書道道具を収納している辺りだ。 筆の取捨選択を行い、墨や墨汁の状態をひと通り確認し、硯(すずり)や落款印(らっかんいん)も確認した。 落款印(らっかんいん)を確認していると、彫られる…

ミルククラウンができたような気がした日。 

冷蔵庫から取り出した牛乳をボウルに注いだ。 最後の一滴がぽたっとボウルに落ちた時、ミルククラウンが見えたような気がした。 あれは小学生だっただろうか、それとも中学生だったのだろうか。 もう、記憶が遠すぎて思い出すことができないけれど、理科の実…

テンポドロップの中を覗き込む日を心待ちにする日。

ここ数年間、気になっているものがある。 それの名はテンポドロップ。 透き通ったガラスによる美しい曲線を眺めているだけでも癒されそうなのだけれど、ガラス内に現れる様々な景色は、きっと見飽きることがない景色なのではないだろうかと想像している。 初…

あの方々の表情を数値化したらしいです。

その日は朝から仏像写真を見続けていた。 このようなことを言うと仏像マニアなの?と尋ねられてしまいそうだけれど、仏像マニアというわけではなく、必要に迫られて片っ端から仏像のお顔を眺めていたのである。 仏像と一口に言っても、その表情は様々で、作…

あの時代にもあったハジメテをサポートするガイドブック。

CDの類を整理していると、浴衣の着方と記されたCD-Rが出てきた。 非売品と印字してあったので、和装品を購入した際にいただいたものなのだろう。 ケースを覆っているセロファンを開封し、真っ新なそれを再生しながら整理作業を続けることにした。 手を…

甘い棒付きキャンディーで美術鑑賞!?

久しぶりにレジ脇の誘惑に負けた。 いつもであれば、レジ脇の小さなお菓子が目に留まっても余裕の笑みでスルーできるのに、その日に限って、 お会計の最中に奥から別の店員が現れ、カラフルなキャンディ、チュッパチャップスが刺さっている台をレジ横に置い…

ナイスキューティクルから魔鏡の世界へ。

確か、年が明けて間もない頃の外出時のことだったと思う。 電車に乗っていたのだけれど、生憎車内はとても混んでおり、出入口付近から通路中ほど辺りまでグイグイと押し込まれることとなった。 出入口のドアが閉じ電車が走り出したため、窓の外を流れる景色…

ヒヤシンスから始まる小さな美術館巡り。

そろそろ春らしい花でもとフラワーショップに立ち寄った。 店内の中央に設置してあるテーブルの上には売り物ではない、鑑賞用の季節の花が生けてあるのだけれど、その日は色とりどりのヒヤシンスが飾られていた。 ガラス製の花瓶を使って水栽培されているヒ…

「ヘタウマ」という括りで世に広まることになるとは。

私は絵心が無くて……というフレーズを耳にすることがある。 絵心。主に使われている意味としては、絵についての知識や技術、センスといったところだろうか。 それらの有無を、絵心がある、絵心がないと表現されている。 ただ、絵心という言葉は、絵を描きたい…

年の差56歳の恋を見守った存在。

私の手元にやってきた数粒のガーネット。 放たれていた艶と瑞々しさは想像以上だった。 地球の恵みと人の技術が融合したそれらが、どのような経緯を辿り、最終的にどのような方の元に辿り着くのか。 小さいけれど、ある意味、大冒険の最中にある石たちである…

宵を待ち侘びて。

月見草と蝶々をあしらった、とても素敵な浴衣を見つけた。 横に並べられていた浴衣と比べると、一見、地味にも見えるのだけれども、 身に纏えば、その潔さと言いうべきか、引き算によって演出される粋な華やかさが目を惹く1枚のように思えた。 「素敵でしょ…

“なんちゃってシンメトリー”の、アンバランスなバランスに魅せられる。

先日、西洋のシンメトリー文化、日本のアシンメトリー文化の話題に触れたからだと思っているのだけれど、 そのような視点に絡む話がポツリ、ポツリと舞い込んできている。 それならば、この流れに身を任せ、今回は、先日の視点とは少し異なる、 それぞれの様…

大人が粋に楽しむことができる、ちょっと贅沢な折り紙『錦折万華鏡』の世界。

歩いていると、「おせちのご予約」という文字が目に飛び込んで来た。 「せっかちだなぁ、生き急いでいる感満載だなぁ、まずは秋を楽しみたい」とひと通りのことを思いながら通り過ぎたのだけれども、その夜、私の感覚も似たり寄ったりだと思う出会いがあった…

芸術の秋と食欲の秋を同時に満たすフラワーゼリーケーキとは何かしら?

家に缶詰めになってしまう事が多いライフスタイルゆえ、 ネットショップなるものに非常にお世話になっている。 「時間短縮」を略して「時短」。 時短と付く造語も日に日に増えているように思うけれど、 私にとってありがたい時短のひとつが、お買い物時に費…

言葉を失うほどに美しいアートな世界を指にまとって。

時々、言葉を失うほどに心揺さぶられる瞬間に出会うことがある。 このリングに出会った時も、なんて美しい世界なのだろう。 そう思って、しばらく見入ってしまった。 指の上に乗る程の小さな空間を覗き込むと、 その中には、大自然の息吹が感じられ、どこま…

新しい青色でお絵かき出来る日が近づいています。

幸せのレシピ集内では、様々な視点で色のお話をさせていただくことがあります。 色がある世界が当たり前である私たちは、 色は簡単に創ることができるもの、始めからそこに在るもの、 と無意識に思いがちですが、 実は、試行錯誤を繰り返して創られていたり…

今更だけれども、印象派って何ぞや?

少し前になるのですが、国立新美術館へミュシャ展を観に行ってきました。 これから足を運ぶという方もいらっしゃるかもしれませんので、 詳細は避けますが「ミュシャ展ってなあに?」という方のために、 簡単に説明させていただきますね。 ミュシャとは、 ア…

素敵な世界をあなたの五感で感じてみませんか?

ゆっくりとした、ある日の朝。 半分ほど目覚めた体を起こしきるべく、レモン水片手にソファーに腰かけた。 ゴクゴクと喉を鳴らしながら、乾いた体をレモン水で潤す。 何気なくテレビを点けると田中達也さんの世界が画面いっぱいに広がっていた。 飲みかけの…

ロダンの彫刻作品「考える人」は、考えているのではなく、本当はこのようなことをしているの。

ある日、映画館のロビーのソファーで開場を待っていたときのことだ。 私の隣に中学生くらいの男の子たちが、ドカドカっと腰かけてきた。 あまりのテンションの高さに場所を移動しようかとも考えたのだけれども、 その中のひとりの子の発した言葉に興味が湧き…

イタリア料理のカルパッチョの中にあるアートって?

ふらりと鮮魚店を覗いてみたのです。 この日もイキイキとした魚や切り身が並べられており、創作意欲を掻き立てられておりました。 頭の中に浮かんでくるメニューを絞れずにいると、 ふと、冷蔵庫に冷やしておいたワインが浮かび、 これ幸いと、ワインに合う…

御霊抜きってなあに?美術館や博物館では時々、御霊抜きされていない仏像と合わせることもあるようです。

皆さんは「御霊抜き」というものをご存知ですか? お墓や仏壇のお引越しの際に行うものというイメージをお持ちの方も多いかと思うのですが、これは、長く住んだ家を取り壊す際や、大きな修繕をする際、美術館や博物館などに展示される仏像などに対しても行わ…

幸せのレシピ集の中で巡る小さな美術館|現代美術家・久保田沙耶さんから生まれた、心の中にある誰にも伝えられない気持ちを受け止めてくれる漂流郵便局

先日、知人たちと話をしていたときのこと。 期間限定のアート作品で公開期間は既に終了したとばかり思っていた 現代美術家・久保田沙耶さんから生まれた「漂流郵便局」が 今も多くの人々の気持ちを受け止め続けているのだということを知り、 私は胸が熱くな…

幸せのレシピ集の中で巡る小さな美術館|ダイアナ・ベルトラン・エレーラ(Diana Beltran Herrera)さんがつくる、時に激しく、時に力強く、時に愛らしく羽ばたくリアルな鳥たちの世界

昨年末、各々のジャンルで創作業を生業としている者同士で 連絡を取り合っていた時のこと。 紙を使った表現も多様化してきていて面白いという話になった。 その中で、あるアーティストの作品が話題になったのだけれども、 作品になった彼らのカラフルでエキ…