幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

お花

秋の花と草花を摘む男性のはなし。

掃除を終えた室内の香り付けにとアロマキャンドルを手に取った。 夏の間はお香やアロマオイル、アロマミストの中から軽やかな香りのものを好み選んでいたけれど、キャンドルや甘い香りに手が伸びるようになり、季節の移り変わりを感じるこの頃である。 この…

妖艶で艶やかな毒が知らせる秋のはじまり。

外出先でスマートフォンが鳴った。 友人だったこともあり、周りの騒音を気にせず出た。 すると付き合いが長い友人の第一声は、「随分と涼しくなったってことだね」であった。 私だって暑くても必要とあれば腹を決めて外へ出る。 しかし、必要でなければ太陽…

半化粧と秋支度。

底に車輪が付いた移動式プランターがトラックの荷台へ積み込まれていた。 白いプランターの中には緑一色の植物が植えられていた。 見たことがある植物だったけれど、その名を思い出せぬままその場を通り過ぎた。 その後、1週間ほど経った頃だろうか、その植…

エキゾチックな香り漂う、神秘的な熱帯夜。

真夜中に目が覚めてしまった。 二度寝を試みたけれど、思いのほかスッキリと目覚めってしまっていたのでベランダへ出てみることにした。 外へ出た瞬間に全身を覆う熱気に怯みかけたけれど、冷えすぎている体を少しだけ温めることにした。 流石に車の往来も少…

不意にやってきた夏の欠片。

その日は、国際宇宙ステーション(ISS)“きぼう”を肉眼で観ることができるという日で、予定時刻の少し前からベランダにスタンバイしていた。 時間前なのに、大きめの光が通過していくものだから「え?もう?」と胸が高鳴ったけれど、よく見ると飛行機の翼に…

いつの日か、サボテン果実のお味見を。

梅雨が明けたような気がした途端に、夏の本気を見せつけらる日々だ。 なかなか明けない梅雨にヤキモキしつつも、今年は暑さ控えめの夏になるかもしれないと、私は密かに期待していたのだけれど、やはり今年も、このような状況下でも、自然は帳尻を合わせてく…

水やりは保冷剤を相棒に。

増えすぎた保冷剤の全てを、律義に冷凍庫にしまい込んでいたことがある。 その結果、必要以上に冷えすぎた冷凍庫内が霜で塞がれ、使うことができないという事態に発展したことがあった。 電源を切ったり、熱湯を流し込んだりして窮地を脱したけれど、もう二…

ツユクサも進化中。

私が住んでいるマンションには、私が知る得る限りでは数組の外国人の方がいらっしゃる。 エレベーターや駐車場などで顔を合わせる程度の間柄なのだけれど、それぞれのお国の風習がちらりと垣間見えることもあり、面白い。 そうかと思えば、日本人よりも日本…

夏の訪れを知らせる蓮と心豊かな暮らし。

スタイリッシュな墨色をした鉢から伸びた細い茎の先には、顔を覆ってしまえるくらい大きな葉と、濃い桃色をした蓮(ハス)の花があった。 蓮(ハス)は、夏の訪れと共に咲き始める花である。 その多くは、池の中から茎を伸ばして花を咲かせることで知られている…

見分けられない三花衆。

空地の隅で青紫色の花が揺れていた。 道路から花までの距離は離れていたけれど、遅咲きの「あやめ」だったのではないかと思う。 キーボードで「あやめ」と入力すると「菖蒲」という文字が出てくるのだけれど、「菖蒲」には「あやめ」と「しょうぶ」の二通り…

クチナシとゴーストライター。

用事を済ませに外出すると、クチナシの香りが風に乗ってやってきた。 香りの出所に心当たりがあり、少しだけ遠回りをして目的地へ向かうことに。 丁寧に切りそろえられたクチナシの垣根に散らばる艶やかな白は、湿度が上がるこの時季に清涼感を与えてくれる…

春を長く感じられる長春花とはどんな花?

4月にいただいたバラの花が1か月経った頃、花瓶の中で色褪せぬままドライフラワーになった。 果てた姿までも美しいと感じられるのは、バラの気品がそうさせるのだろうか。 想像以上に長い時間、楽しませていただいたバラを花瓶から取り出した。 花瓶に対し…

梅雨の訪れを感じながら、好きも嫌いも同じように楽しんで。

6月の楽しみは、大好きな紫陽花の切り花を買うことだ。 ブルーや淡いグリーンのものを手に取ることが多いけれど、ピンクやパープルの紫陽花に目移りすることも。 どの色も素敵すぎて決めることができないときには、純白の紫陽花にグリーンの葉を合わせるこ…

竹のBプランが発動するとき。

最近、目にする機会が増えているCMがある。 CM内には「桃太郎は、あまりの暑さに川を泳いで行ってしまいました。かぐや姫は森林伐採で竹を見つけられず……人魚姫はゴミが邪魔で地上に上がれませんでした。物語が変わる前に、守りましょう、地球環境」とい…

毒草だらけのポイズン・ガーデン。

後にジャガイモの芽が出てくるであろう場所を、一つずつくり抜いていく。 虫食いに遭ったみたいに見えるその姿に「毒対策完了!」と心の中で発しながら、皮剥きに取り掛かった。 ジャガイモの毒は、炒めても、揚げても、オーブンで焼いても無くなることはな…

永遠と儚さを併せ持つもの。

その日は、数年前に友人が贈ってくれた海外のインテリアブックを久しぶりに引っ張り出した。 素敵な写真が多数収められており、眺めているだけで気分が高揚する一冊だ。 眺める度に目が行くポイントが異なるからか、毎回、小さな発見を届けてくれる点も気に…

何ものにも染まっていない花。

外出を控えていることもあり、ここのところ生花を飾っていない。 生花を飾っていないからといって困ることは何一つないのだけれど、リビングに一輪あるだけで随分と癒されていたのだと改めて思った。 と同時に、自分の何気ない日々も、いくつものありがたい…

器の中に見て感じる春も、なかなか風流です。

イキイキと咲いている向日葵の前を通り過ぎた先で揺れていたのは、淡いピンク色をしたコスモスだった。 この時季にコスモスなど咲くはずがないという先入観が、そのピンク色を私に二度見させたように思う。 暖冬の影響によって冬を越してしまったのか、咲く…

スミレとアリの言葉なき契約と、遠い記憶と。

自宅近くに、まだ一度も入店したことがない天然酵母パンを専門に扱うパン屋がある。 お店の前を通ると香ばしいパンの香りに誘われて、ふらりと中をのぞいてみたくなるのだけれど、タイミングが合わず、そのうちにと思いながら数カ月が経っている。 シンプル…

気持ちは上を向いたまま、視線は足元近くへ。

街路樹の根元に、小指の爪の先ほどの小さな白い花が咲いていた。 管理会社によって植えられたものではなく、何処からか飛んできた雑草の種が、根を張り、芽を出し、咲かせた花である。 一つの存在に気が付くと、ここにも、あそこにもと、次々に白いそれが自…

2月の誕生月花でもあるフリージア。

駅の改札を出た辺りで花束を持った女性とすれ違った。 花束に使われている花も色も分からなかったけれど、フリージアの甘やかな香りがした。 すれ違いざまにほのかに香る香水も素敵だけれど、花束の香りもいいものである。 フリージアは、2月から3月の誕生…

道すがらの月桂樹からの数珠繋ぎ。

時折、通り抜けに使わせていただいている自宅近くの公園は、様々な種類の木と季節の花で彩られている。 先日は、公園管理をしている20名ほどの方々が、既に開花しているパンジーを花壇に植えているところを目にし、こうして作業してくださっているのか、と…

ウィンターチューリップからのぞく景色。

今年は年明け早々から駅周辺のプランターや飲食店などでチューリップを多く目にしたように思う。 春を先取りしすぎなのでは?と思うよりも前に顔がほころび、指先をそれに伸ばしてしまうのは、本能が春を待ち侘びているからなのか、それともチューリップの可…

花よりもコーヒーとタバコが好きだという店主から教わった葉牡丹のはなし。

道すがらにあった花壇に葉牡丹がぎゅうぎゅうに敷き詰められていた。 葉牡丹が想像できる以上に成長してしまったのか、このぎゅうぎゅう感を狙って植えられたのか、真意は分からないけれど、信号待ちをしている間、その葉牡丹の密集風景に見入ってしまった。…

不思議な葉を持つハガキの木。

この時季、真っ赤な実をつけた植物を度々目にするように思う。 想像するに、野鳥たちにいち早く見つけてもらうための、植物側の作戦なのだろうけれど、柔らかい秋の陽射しに照らされている姿は、スポットライトを浴びたメインキャストのようだ。 その日、目…

ダイヤモンドリリーと箱入り娘。

この日私は、様々な意味合いの「箱入り娘」という言葉を多く見聞きした。 その対象も人や動物など様々で、見聞きする度に、日本語は使い手次第で如何様にも変化する面白いものだと思った。 そのようなことを思っているときというのは、無意識に私のアンテナ…

エンドレスサマーから言葉の海へダイヴした日。

先日、友人から爽やかな水色をした紫陽花の画像が送られてきた。 この友人は、いつだったか私が何気なく漏らした紫陽花が好きだという言葉を記憶に留めておいてくれており、毎年、梅雨の頃になると日常の中で見つけた様々な紫陽花画像を届けてくれるのだ。 …

ミチクサと冬桜。

所用を片付けるため、私にとって休日の醍醐味である二度寝を手放し、朝から外出した。 その日の日差しには、肌の奥までじりっと焼いてしまいそうな強さがあったけれど、流れる風は程よく冷たくて、このまま遠出したいと思った。 全てが予想以上にスムースに…

夏の終わりを告げる透かし鬼灯。

小料理屋の前に置いてある鉢植えには、立派な鬼灯(ほおずき)が多数ぶら下がっていた。 通るたびに、そのパッと目を惹くオレンジ色に視線を奪われていたのだけれど、先日、小料理屋の前を通るとオレンジ色の鬼灯(ほおずき)は「透かし鬼灯(ほおずき)」に変わっ…

残暑の熱を和らげてくれるバジルに許された自由。

オーガニック食材などを専門に扱っているショップの前を通り過ぎようとしたとき、おしゃれな黒板風の看板に、「バジルの季節ももうすぐ終わります」とあった。 気まぐれでバジル栽培をしていた時期もあったけれど、思っているよりも手軽に手に入るバジルとい…