2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧
ヨーロッパ旅行から帰国した友人が、空港に到着するなり1通のメールを送ってきた。 旅の土産話か何かだろうと思いメールを開くと、 そこには、「外国人が言うコケシドールって、あのコケシのこと?」とだけあった。 単刀直入、猪突猛進タイプの友人らしい、…
デパ地下のスイーツゾーンを歩きながら視線を泳がせていると、 パステルカラーのマカロンが目にとまった。 心躍るのかと思いきや、私の脳内には力士や呼び出しの方の姿がぽわっと浮かんだ。 これほどまでに可愛らしいマカロンを前にして力士や呼び出しの方が…
少しずつ寒さも和らいでいるのだと、 寝起き姿のままリビングのエアコンスイッチを押しながら思う朝。 ひな祭り用にと少し前に購入した桜の枝木へ視線を向けると、 あっという間に七分咲きほどの状態になっていた。 淡い桃色をした花びらと、初々しさを含ん…
空腹を満たし、人通りが多い道を歩いていると、絶妙なタイミングでチラシを差し出され、 私の体は反射的にそれを受け取ってしまった。 こちらの歩調を崩すことなくグッと体を差し込み、 受け取り手が最も受け取りやすい位置にソレを差し出し、 こちらが受け…
今年はすっかり出すのが遅くなってしまった、と思いながら、 随分と古くなってきた箱の中から、お気に入りのウサギのひな人形を取り出した。 私は“ひな人形”というものに興味がない子どもだった。 祖父母や両親が贈ろうとしてくれている好意は頑なに拒否し続…
お酒が程よくカラダに染み渡った最寄駅からの帰り道は、頬に触れる風が冷たくて心地よい。 何気なく見上げた空に満ち始めている月を見つけて、少しだけ気分が上がった。 途中、ラーメン屋の前を通り、 飲んだ後のラーメンの誘惑に素直に従って並んでいるので…
ある場所で順番待ちをしていたときのこと。 少し離れたところに置いてあった紙面に「スマホ認知症」という文字があった。 私の順番まで、もうしばらくかかりそうだったこともあり、席を移動してその紙面に手を伸ばした。 こちらでも過去に、「ソーシャルデト…
月に1、2度、フラワーショップへ足を運ぶ。 少しだけヒンヤリとしている色鮮やかな空間に足を踏み入れると、 全身にフレッシュな空気がチャージされるようで心地良い。 店員の方と言葉を交わすようになると、 花が咲く過程を楽しむことができる鉢花を育て…
最寄駅から自宅へ向かう道すがら、新しくオープンしたヨガスタジオを2軒ほど目にした。 徒歩圏内に何軒あるのだろうか、そう思ってしまうくらい、ここ数年で随分と増えたように思う。 一見簡単そうに見えるけれど、呼吸を丁寧に行いながら作る一つ一つのポ…
私たちが口にしている野菜の多くが、 様々な時代に国外から持ち込まれたものが元になっているだと何かの本で読んだことがある。 今と比べて物流システムがゼロに等しいような時代であっても、 伝わるべきものは伝わってくるのだから、 世の中のものごとは、…
ベッドに潜り込んでからの記憶が無いまま随分と早く目が覚めた。 目覚めたときに感じる部屋の空気が日に日に柔らかくなっているからか、 気合いを入れなくてもベッドから抜け出せるようになってきたように思う。 太陽が顔を出す前の、夜でも朝でもない、あわ…
日が少しずつ長くなり、見慣れた風景の中にも色が増え始め、 空の青にも陽射しにも、ほのかに春の香りが混ざるようになってきた。 通りかかった花屋には、ガラス越しからも確認できるくらい色鮮やかなバラが並んでいた。 そう言えば、随分と前に足を運んだ温…
いつだっただろうか。偶然目にした外国の方のSNSに、 笑っているようにも見えるキュートな鹿の接写画像がアップしてあった。 その鹿が、あまりにも良い表情をしていたものだから、 つられるようにして、添えられていた文面を目で追った。 そこには、長年…
横断歩道で信号待ちをしながらスマートフォンを覗き込み、 届いているメッセージのいくつかに返信をした。 指先がいつもしているように勝手に動き、言葉を次々に漢字変換していく。 その軽やかな指さばきに妙に感心していると青信号のメロディーが耳に届いた…
冬と春の狭間を行きつ戻りつ過ごす日々は、 人が成長する少し前の状態にも似ているように思う。 新しい環境を望んでいるのに、新しい何かに気付くことができたのに、 心と体のタイミングが噛み合わず、進みたいのに名残惜しい。そのような矛盾を胸に、 慣れ…
いつの日か、観にいこう。 なかなか、その数を減らすことはできていないのだけれども、 私には、そう思っている景色が、いくつかある。 そして、そう思っている景色の中の一つにジュエリーアイスというものが最近加わった。 百聞は一見に如かず、ジュエリー…
幸せのレシピ集へ足を運んでくださっている皆様 こんばんは。こちらで執筆しております柊希です。 先週から記事の中身が空っぽという状態が続いており、大変失礼致しました。 また、そのような状態の中、変わらず足を運んでくださった方、 コメント欄へのメ…
この冬は何度、寒波が来るのでしょう。 道端の日陰に並べられていた手のひらサイズの溶けそびれている雪だるまを横目に、 そのようなことを思ってから随分と経ったように感じるのだけれど、 一向に暖かくならない日々を前に春への想いは募るばかりです。 春…
先日、あるカスタマーサービスセンターへ電話を入れた。 込み合っていたようで保留音とメッセージを繰り返し聞きながら順番を待っていた。 不特定多数の人たちからの電話を受けるオペレーターというお仕事も大変だろうなと 想像を膨らませていると私の電話が…
普段、スナック菓子を口にする機会はほとんどないのだけれど、 過去に体に馴染んだ習慣というものは、どこかしらに消えぬまま残っているようで、 時々、クリスプを見かけると「食べたい」そう思うことがある。 その日はティレルのクリスプをネットで見かけ、…
劣化していたアルバムから懐かしい写真を一枚、一枚剥がし、 新しいアルバムへ貼り替えていた時のこと。 以前の仕事仲間たちと参加した異文化交流会の時のポラロイド写真があった。 異文化交流会と言うと少々堅苦しい響きだけれども、 実際には、日本に住ん…
オーガニック食品を扱うお店で、切れかけている調味料をいくつかカゴに入れた。 カゴの中でゴロゴロッと転がりながら右へ左へと移動するビン類をチラ見しながら、店内をひと回りした。 お店に立ち寄る度に増える新商品から定番商品までを目で追いながら、 健…
自分が生まれ育った国のことを、どれくらい知っているのだろうか。 外国の方が知っている日本のことを見聞きし、そのようなことを思うことがある。 地元や何らかの関りがある土地のことであれば、多少なりとも知ってはいるけれど、 行ったことがない土地や関…
どんよりとした空と冷たい空気が相まって、空が凍ったような顔をしている。 その氷のような空は、辺りの音や時間まで凍らせてしまったかの、 行き交う車の音も普段の勢いを無くしたようだった。 なかなか温まらないカラダにヤキモキし、キッチンでホットワイ…
先日も近所で、まだ使ったことがない小路がちらりと目に入った。 知らない道だと頭で意識したときには既に、私の足はその小路へと向かっていた。 私は、同じ時間に同じ道を通るというようなことが、あまり好きではない。 これは、今に始まったことではなく子…
買い置きの入浴剤を入れている籠の中から、 今の気分に合いそうな香りのタブレットを一つ取り出した。 封を切り、それをバスタブにポンッと軽く放り入れた。 シュワシュワと音を立てながら弾ける泡と浴室内に広がる心地よい香り、 透明だったお湯には入浴剤…
無性にアジフライを食べたくなり、「今日の夕飯はアジフライにしよう」と早々と心に決めていた。 単純なのだけれど、今夜は、今一番食べたいアジフライを食べられる、 そう思うだけで昼間の諸々を普段よりも数割増しで頑張れる自分がいた。 自分にとっての小…
少し前に受けた健康診断プログラムの中に視力検査と眼圧検査というものがあった。 毎年受けている定番検査のひとつなのだけれど、私はこれらに対して苦手意識がある。 まず、視力検査だ。 これって本当だろうか?と思う私がいる。 と言うのは、ある程度まで…
生憎のお天気で予定していたお出かけが延期になった。 ベランダから腕を伸ばして手のひらで受け止めた雨は、雪になりかけの状態の雨粒で、 私の体温で溶かされる前にシャリッと音がしそうな風貌を一瞬だけ見せてくれた。 真っ白な空から儚く降る、雪になりき…
アロマオイルを購入しているお店が数件ある。 同じ香りでも、素材の育てられ方や入手先、製造過程の違いによって少しずつ異なるため、 自分好みの香りを扱っているお店に出会うと静かに心が躍るのだ。 製造技術の進化により、購入時期によって香りに大きな違…