幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

私たちが知っているサイコロの「一」、あの「一」だけは日本のオリジナルなんですよ。

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初めて立ち寄ったスーパーで福引券をいただいた。

きっともう立ち寄ることもないだろうと思い

福引をせずにお店を出ようとしたら、

レジを打ってくださった方が駆け寄って来て「福引はこちらですよ」と

ご丁寧に福引所まで案内してくださった。

引かずに帰ろうとしていたとは言い難いシチュエーションだったため

間違えたふりをしてご厚意を有り難く頂戴した。

簡易テントの中へ入ると、

とてもアットホームな手作り感満載の空間が広がっていた。

テーブルの上に紺色のフェルト生地の敷物が広げてあり、

置いてあったのはサイコロ2つと

女性の手に収まる程よい大きさのお椀だ。

お椀に2つのサイコロを入れて振り

出た目を足した数で商品が決まるのだと言う。

言われるがままサイコロを振ると1のゾロ目が出た。

好きなお菓子をどうぞと言われ「うまい棒」を手にすると、

「まだたくさん残っているから、もうひとつどうぞ」

と駄菓子が入った籠を差し出された。

福引の意味はあるのかな、大丈夫なのかな、と要らぬ心配をしつつ

「ビスコ」もいただいて、その場を後にした。

 

久しぶりに触ったサイコロは、

なかなか本格的な手触りの良いしっかりとしたものだった。

いつだったか、食事会の席でサイコロの話をしてくださった方がいた。

その方の話によると、サイコロの以外にも歴史は古く、

古代エジプトや古代ローマの時代から使われていたのだそう。

もちろん、今の様な整った形をしたものではなく、

動物の骨などが使われていたようです。

サイコロは時を経てギャンブルや遊びの為の道具として使われるようになりましたが、

その昔は神様からの言葉を乞うための

占術の道具として使われていたのだとか。

ですから、とても大切に扱われていて縁起物だと言われていたのだそうです。

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そして、世界共通のサイコロですが1だけ赤く塗られているのは

世界中どこを見ても日本だけだとご存知でしょうか?

外国では昔も今も、すべての目を黒く塗るのが一般的です。

もちろん、日本もサイコロが伝わってから明治時代までは黒でした。

しかし、大正時代から昭和辺りの頃に、

和歌山県にあるサイコロを製造していた会社が、

「国旗である日の丸をモチーフに1の部分を赤色にしてみよう」、

「自社のサイコロだと一目で分かってもらえるように1の目を赤くしてみよう」

という試みを行ったところ、これが大当たりしたそうなのです。

あまりにも売れ行きが良かったのでしょうね。

それ以降、日本ではサイコロの1の目だけを赤くする製造会社が増え、

日本のサイコロだけは未だに1の目は赤なのだそう。

 

福引でサイコロに触れるまで、

このような話も、このような話をしたことさえも、

すっかり頭の中から消えていたのだけれど、

人の脳の中には様々な事が保管されているようです。

そのような事を思いながら、

いただいた「うまい棒」と「ビスコ」を

熱い緑茶といっしょにいただきながらホッと一息ついたのでした。

 

画像出典:https://jp.pinterest.com/