知人からのＳＮＳで気になる話題があった。
世の中には夫婦喧嘩をすると
「夫婦喧嘩特別休暇」という名の休暇を取ることができる会社があるというのだ。
近年耳にした珍しい休暇には「失恋休暇」というものがあったけれど、
今度の「夫婦喧嘩」が休暇の理由とはどういうことなのだろうと
話を聞いてみることにした。
この休暇を会社の制度として会社概要にも記載し取り入れたのは、
育児雑誌を発行している出版社なのだそう。
夫婦とは言え、いや、夫婦だからこそ生活を共にしていれば
夫婦の数だけ様々なケースで様々な事が起きるものです。
その中で夫婦喧嘩が起きた時、
その状況を何となく時間に任せて収めるのではなく、
会社を休み、きちんとその都度、夫婦で話し合う時間や向き合う時間を持ち
フォローも兼ねて旅行へ行くもよし、お買い物やお食事に行くもよし、
そうして夫婦の喧嘩をしっかりと早期解決して家内安全を目指すことが目的なのだそう。
小さな喧嘩であればコミュニケーションのひとつという場合もあるのかもしれませんが、
深い亀裂が入ってしまってからでは、
夫婦だからこそ、家族だからこそ、難しいということもあります。
社員の家庭が安泰でないと、育児雑誌は作れないという社長の想いから、
この「夫婦喧嘩特別休暇」というものが出来たのだそう。
家庭人であり、会社人でもある社員のために会社ができる福利厚生として
「夫婦喧嘩特別休暇」を年５日まで取得できるというのです。
夫婦に限らず、世の中はどちらか片方に負担がかかってしまうと
関係や在り方が危うく脆いものになる事があります。
ですから、その場、その場で丁寧に相手や物事や状況と向き合うことで
男性も女性も、その後の日々や関係を確かなものにしていくのかもしれません。
そして、実際にこの休暇を取得した方のその後はどうなのだろう？
という疑問が湧いたのですが、
知人の話によると、社長の熱い思いにも関わらず、
数年経った今も一人も取得経験者がいないのだそう。
それはそれで、休暇を必要とするほどの大きな喧嘩が無いということで、
喜ばしいことだと思いますし、
何か起きたとしても、自分の人生そのものを大切にすることができる環境があるというだけで
人は心に余裕をもてるのかもしれません。
もちろん、仕事も含めた自分自身の人生や家族、恋人、大切な人々との人生を。
まだまだ古い体制が元になっている世の中ですが、
新しくてちょっぴりユニークな取り組みを行っている会社も
様々な分野で着実に増えつつある世の中です。
何かの犠牲の上に成り立つ人生や関係、絆ではなく、
自分の人生そのものを大切に楽しんでいけるような、
そして、関わる人の人生も大切にしながら関わっていける、
そのような「輪」が広がっていくといいと思うのですが、いかがでしょうか？
