私は自分でも呆れてしまうくらい地図に弱い。
始めて足を運ぶ場所での待ち合わせのは、
時間通りに辿り着くことができるかどうか、前日から少し緊張するのだ。
日本には親切な人たちがたくさん居るので聞けば辿りつける、
と思ってはいるものの苦手意識も抜けきらず随分と早めに待ち合わせ場所に到着する。
ぽっとできた15分程の時間は、
素敵な音楽や心躍る言葉との出会いを求めて、ふらりと書店やCDショップに立ち寄る。
その日は書店へ足を踏み入れた。
エントランスをくぐった後に感じるインクと紙の匂いを
「素敵な香り」などと思っているわけではないのだけれど、
どういう訳だか妙に落ち着くのはどうしてだろうか。
その日もその答え探しをしないまま、店内を散策した。
寒くなってきたせいだろう、
手に取りパラパラと捲った数冊の中に見つけた「たまご酒」の文字。
最後に口にしたのはいつだったかしら、
思い出そうにも記憶の尻尾を掴むことができない。
「たまご酒」は「風邪をひいてしまいそう……。」というタイミングで飲む、
日本で昔から伝わる民間療法のひとつ。
体が内側からポカポカと温まってひきかけの風邪を吹き飛ばし、
栄養補給と冷え性対策にもなる優れもの。
どういう仕組みで風邪を吹き飛ばすのか気になりまして、
調べ物には最適な書店内という事もあり、私は、たまご酒に関する情報を手に取ってみたのです。
たまごは完全栄養食とも言われており良質のたんぱく質が豊富です。
栄養補給に優れているだけではなく卵白には酵素が含まれている様なのですが、
この酵素は、風邪薬にも使われている成分で、
免疫力を高める効果や殺菌効果があるのだそう。
ですから、たまご酒は、栄養補給と風邪菌対策、免疫力アップに体ぽかぽか対策と、
痒いところに手が届く一品のようです。
ただ、アルコール自体は粘膜を乾燥させたり、炎症を拡大させたりもしますので、
アルコールをしっかりと飛ばして作ることがポイントのようですね。
お酒好きの方も、たまご酒を召し上がる時はアルコールを飛ばしてくださいませ。
皆さんご自宅のレシピをお持ちかもしれませんが、
私はこのような作り方をしております。
|たまご酒の作り方
【材料】たまご1個、日本酒150ml、お砂糖かハチミツをお好みで
【作り方】
(1)お鍋に日本酒を入れ火にかけて先に日本酒を煮切って(アルコールを飛ばす)しまいます。
(2)日本酒にお好みでお砂糖かハチミツを加えて溶かしながら、日本酒を少し冷まします。
(3)(2)に溶き卵を少しずつ加えて弱火にかけて、とろっとするまでかき混ぜ続けたら出来上がりです。
(注意1)煮切った日本酒の温度が高かったり、火が強いと卵が固まってかきたま汁のようになってしまうので(お嫌いでなければ、かきたまスタイルもOK)温度と火加減は慎重に。
(注意2)アルコールは飛んでいますが、お酒を使っていますので飲んだ後の車の運転はNGです。ご注意くださいね。
|たまご酒をちょっぴりおしゃれにアレンジしてエッグノッグに!
たまご酒に使うお酒を牛乳に変えて、
ブランデーかラム酒を小さじ1/4とお砂糖を加えて火にかけるとエッグノッグ、
西洋版のたまご酒の出来上がりです。
ブランデーやラム酒がほんのり香るホットプリンのような お味で、
たまご酒と同じ効果も得られます。
アルコールを加えなければデザートドリンクとして、お酒が苦手な方も、小さなお子様も楽しむことが出来ます。
風邪をひきそうな時にお酒を飲む風習は世界各地にあります。
昨年、ご紹介させてただいたホットワインもそのひとつ。
他にも熱めの紅茶にラム酒やウイスキーを加えてお砂糖やハチミツを入れたり、
赤ワインを温めたホットワインにシナモンをプラスしたり、
その土地にあるもので作るホットドリンクは寒い冬を乗り切る知恵のようなものなのでしょうね。
そう思いながら世界中にあるお酒を使ったホットドリンクを覗いてみると、
栄養補給と風邪菌対策、免疫力アップに体ぽかぽか対策まで欲張ることが出来るのは
「たまご酒」だけではないかしら?と思う私は日本贔屓すぎるでしょうか。
寒くなってまいりました。
皆様もお好きなホットドリンクで寒い冬も心身共にポカポカでお過ごしくださいませ。
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