PCやスマートフォンなどで文字入力を行う際に、とても重宝する変換機能。
重宝している機能なのですが、時々、不便にも感じることもあるのです。
あまりにも丁寧に数多くの候補を挙げてくださいますし、
毅然とした態度で間違っているはずの変換も並んでいるため、
知っているはずの正解が、ふと、脳内でぼやけて迷ってしまいます。
手が覚えているはずだと書いても見るのですが、一度迷ってしまうとだめですね。
高校生の頃にお世話になっていた恩師の言葉を思い出します。
「おまえの字は、あまりにも堂々と大きく書かれているから採点し難いんだよ」と。
漢字の書き取りテストの解答用紙の採点が間違っていたことがありまして、
ワタクシは自分の間違いを無邪気に棚に上げて、
「先生も間違えてますよ」と笑いながら指摘したときにいただいた言葉だったと思います。
今なら分かります、恩師の気持ち。
堂々たる態度や毅然とした態度って、時に不思議なことを起こすものなのだと。
先日、電車に揺られておりましたら、
女子高生たちがスマートフォンを覗き込んでおりました。
どうやら「おまいり」の文字を出そうとしていたようで、
「どっち?どれ?正解だけ出して欲しいよね」と楽しそうに話していたのです。
私も「お詣り」と「お参り」を迷ったことがあることを思い出し、少しばかり懐かしく思ったのです。
「お詣り」は神様に対して行う「おまいり」なので神社へ行くときに、
「お参り」は仏様に対して行う「おまいり」なのでお寺やお墓へ行くときに。
そう分かってはいても、PCやスマートフォンの変換機能を使っていると
ミスタイプも起こしてしまうこともあるのだけれども。
お詣りやお参りとセットで触れられることが多い参詣(さんけい)と参拝(さんぱい)も
同じような意味だと思いがちですが、こちらは意味が異なっております。
神社やお寺へ行っただけ、鳥居やお寺の門(山門)を通過しただけ、
という状態で手を合わせない場合は「参詣(さんけい)」を使い、
神社やお寺へ行った上で手も合わせる場合には「参拝(さんぱい)」を使います。
「お詣り」と「お参り」には手を合わせる相手によって使い分けますが、
「参詣(さんけい)」と「参拝(さんぱい)」には神社、お寺のどちらに対しても使うことができます。
神社やお寺がとても身近な場所であったり、
通勤や通学途中に通過する方、敷地内に頻繁に足を運ぶ機会がある方は
「参詣(さんけい)」という言葉を使うこともあるでしょうけれど、
一般的には神社やお寺に行くことと、手を合わせることはセットのようなものですので、
「参拝(さんぱい)」の方が身近な言葉なのかもしれませんね。
私は、参詣という言葉には活字で触れる機会が稀にあるかしら、といったくらいで
自ら発信したことはないような気がします。
このような事を、あれやこれやと頭の中で巡らせながら
私は友人宛てのメールを作成しておりました。
そして、全てを読み返す前に指先が「送信」に触れてしまい、
瞬く間に送られてしまったメールを読み返し、その誤字の多さに固まりました。
スマートフォンの変換機能もさることながら、
タッチパネルの精度と感度の良さも一長一短ですね。
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