「(慌てない、慌てない)」
手帳を眺めながら、今月後半のスケジューリングをしながら思う。
ひと呼吸し窓を開け放ち軽く腕まくりをする。
例年よりは遅くなったけれど、
我が家のインテリアをクリスマス仕様にし始める。
「(この際同時進行だ)」と、細かな場所のホコリも取って大掃除も兼ねてみる。
オルゴールが忍ばせてある、ちょっとリアルなサンタ人形を出す。
今年も、このお人形を心穏やかに出すことができる。
幸せだということなのだろう。
この季節用に準備している普段よりも華やかなキャンドル数種類をだす。
一気に部屋の雰囲気が華やいで心地良い。
陶器でできた洋館型のキャンドルホルダーは何年来のお付き合いだろう。
かれこれ10年近いだろうか。
雪化粧の屋根部分が蓋になっていてパカッと開けると中に蝋が仕込んである。
火を灯し屋根の蓋をすると、洋館の窓穴から蝋燭の灯りが外へ漏れ出す仕組みだ。
蝋の残量を確認する。
今年はまだ大丈夫そうだった。
次は昨年、一目ぼれして連れ帰った陶器でできたスノーマンの置物。
小ぶりながら、愛らしいクリッとした瞳と真っ赤な人参の鼻。
その鼻と同じ色をしたマフラーが私の心をギュッとつかむ。
クリスマスの仲間が増えたようで、少し嬉しい。
次にドイツの伝統玩具の煙り出し人形をセッティングする。
これは大切な人からの贈り物で、
グリーンのコートに赤い帽子が良く似合っている、クリスマスカラーの木製のお人形。
「煙り出し人形」をひと言で言うと、木製の人形型お香たて、お香皿のようなものだ。
胴体が腰の部分から半分に分かれるようになっていて、
その中にお香をいれるお皿がセットされている。
三角コーン型のお香をお皿に乗せて火を点け、上半身を元に戻すのだ。
そうすると、空洞になっている胴体内部でお香がゆっくりと燃えてゆく。
内部の煙が、お人形が口にくわえたパイプの先からでてくるのだけれども、
その姿が、パイプタバコをすっているように見えてとても可愛らしいのだ。
彼も、この時期の我が家には欠かすことの出来ない仲間の一人。
通常ならば、メインとなるクリスマスツリー。
私も、もちろん飾りたいのだけれども、
未だに、「コレ!」といったツリーに巡り会えておらず
今のところ、リビングにあるシンボルツリー代わりの観葉植物たちがその役割を担ってくれている。
簡単ではあるのだけれど、
毎年この時期を共に過ごす仲間たちとの再会を、
今年も静かに歓び、噛みしめた。
気がかりな事があった年は、この時間が気分転換になったり願いを込める時間になった。
穏やかに過ごせる年は、この時間が静かな喜びと感謝の時間になった。
忙しいから、とスルーすることもできる事だけれど
こうして時間をとってみると、
どんな時も心地よい時間になるものだ、と改めて。
自分の気持ちの在りようで、目の前の時間と空間はいかようにも変化させられる。
さて、今年もまだまだ時間がある。
焦らず、一つずつ、まいりましょう。